2019年8月、私はうつ病と診断されました。仕事と家庭での重圧に加え、自身の完璧主義とプライドの高さが原因だったのだと思います。
失声症も併発していたので、診断を受けてすぐに抗うつ薬(ジェイゾロフト)を勧められたのですが、私はうつ病は弱い人間がなるものだと思ってしまっていたため、素直に医師の処方を受け入れることができませんでした。
とりあえず仕事ができればいい、と、頓服薬の精神安定剤(ロラゼパム)と睡眠導入剤(ブロチゾラム)のみを受けて出勤を続けていました。
しかしそれも長く続かずさらに体調は悪くなり、家族からの理解も得られず、医師によって半強制的に抗うつ薬が処方されました。
前回勧められた薬とは違うレクサプロという薬でしたが、私はまたも拒絶。
副作用で強い吐き気や眠気を感じたり、体を太らせる原因になることがあることは、知っていました。
それに加え、抗うつ薬が脳に作用する薬だということを、ネットの情報で得ていたため、怖かったのです。
まずは試すようにと処方された薬を、結局飲まずに放置。
憂鬱になったり眠れない夜は、縋るように頓服に頼りました。
それでも根本的な部分で全く解決していないということで、仕事でもミスの連発。
最終的には自傷や希死念慮を抱くようになり、カウンセリングを受けることになってようやく私は服薬を決意。
服薬を拒否していた理由を医師に話すと、
「薬に頼らないあなたの姿勢は本当に素晴らしいよ。」
「うつの薬を怖いと思うのは、あなただけじゃない。」
「嫌だと正直に伝えてくれてありがとう。」
なんだか一気に心が楽になりました。
「もし薬が合わなければ、また教えてね。」
「副作用が少しでも楽になる方法を考えます。」
そう約束してもらったことで、私は規定量より少ない一日半錠の抗うつ薬を試すことに。
案の定、副作用は表れました。
夕食後に半錠、と言われ飲んでみたのはいいものの、吐き気と軽いめまいが毎夜やってきて、寝苦しかったことを覚えています。
「飲み始めはどうしても副作用が出るけれど、やめずに続けることで少しずつ慣れてくるから・・・。」
その言葉を信じて、体が慣れるのを待ちました。
確かに日中無気力感を感じることは少なくなったのですが、次第に被害妄想や貧困妄想を抱えるようになったので、レクサプロの量を、本来の一日一錠に増やして服薬することになりました。
私はあれから一度も抗うつ薬を欠かしたことはありません。
おかげで副作用にも慣れたのか、極端に体調を崩すことはなくなり、気分も少しずつ前向きになってきているように思います。
あの時、素直に抗うつ薬に頼らなかったことを少し後悔しています。
あれからも、悪夢や過眠など、睡眠に関する様々な症状が出て、その度に薬を提案してもらっていますが、医師が処方した上で薬剤師が説明をしてくれた薬であれば怖くはありません。
副作用などの体調の変化についても、しっかりと聞いてくれ、他の薬との飲み合わせについての配慮もしていただいています。
精神的な、目に見えない病だからこそ回復の実感が持ちづらいかもしれませんが、自分にあった薬を見つけるためにも、まずは飲んでみる。
そうすることで回復の近道になることを改めて実感しました。
レクサプロについて有効成分はエスシタロプラムです。エスシタロプラムは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれるグループに属する薬です。飲みはじめはすぐに効果はあらわれませんが、飲み続けると、脳内に作用し、脳[…]