私は会社でのミスが度重なったことが原因で完全に孤立していました。
ある朝、全身の震えがとまらなくなって食べたものをすべて吐き出してしまいました。それがきっかけで毎日のように吐き気が出るようになり、ついに休職することになってしまいました。
精神科に通院することも、薬を飲むことにも抵抗がありました。しかし、すべての思考がストップしてしまい家事すらまともにできなくなった私を家族が心配し、精神科へ連れていかれました。
その結果、うつ状態という診断書をもらいました。診断書を会社へ提すると上司から快くしばらく休職することについて許可をいただきました。
病院の先生からは「エビリファイ」という抗うつ薬をもらいました。毎日指示通り飲んでくださいと言われ、自分自身が薬漬けになるのが怖くてはじめはものすごく抵抗があり、最初だけ飲んだふりをして捨ててしまいました。
しかし、これでは症状が治るわけもありません。次の日、勇気を出して風邪薬と同じ要領でゴクンと一気に飲みました。
なんだか、それだけで体が軽くなったような気がしました。
その日の夜になるとなんとなく体温が上がったような気がして落ち着いて食事をしたり、テレビを見られるようになっていました。
家族とも、ごく自然に会話をすることができました。ずっとうなされて眠れなかった日々が嘘のように、その日はぐっすり眠れました。
しかし、薬が切れたのでしょうか、あくる日の朝になると再び不安症状がぶり返してきて、朝食後の吐き気から全身の震えからすべてが一気に押し寄せ、しばらく布団をかぶって泣いてしまいました。
家族に言われてもう1錠エビリファイを服用しました。なんだか、ちょっとだけ楽になったようような気がしました。そんな状態が何日も続きました。
薬が切れたころになると途端に思考回路がストップし、何をするにも不安がつきまとってしまう。でも薬を飲めば、以前のような落ち着いた私に戻れる、なんだか自分でも現実世界を生きているのか、はたまた空想の世界を生きているのかなにがなんだかわからなくなりました。
3か月が経った頃、病院の先生からだいぶ症状が安定してきたから薬の量を減らしましょうと提案されました。自分でも、「いい加減薬に左右されたくない、そろそろ本格的に仕事にも復帰しないとダメ人間になってしまう。」と、恐れていた時で思い切って「お願いします」と言いました。
この時期になっても死んだほうがいいのではないかと思えるほどマイナス思考に陥るときもありましたが、とにかく薬に頼ってはダメ、と自分を戒め、なるべく家族や仲のよい友人と話す機会を作り、だましだましで薬なしでも安定感を保てるように努力し、なんとか復職にこぎつけることができました。