心療内科にかかり始めた頃、プロメール少量をだらだらと飲み続け、効果が見られないどころかじりじりと悪化していきました。
あまりに希死念慮が酷くなり、動くと自分が何をするかわからない恐怖で布団から出られなくなりました。幼児だった子供もネグレクト状態になったので転院を決意しました。転院は本当に勇気と気力のいることでした。
次の病院は威圧的でまた転院。その最後のクリニックで最初に出されたのがパキシルでした。
当時情報を調べる気力もなく、言われるがままに服用していましたが2週間ほどで今までと違うと実感しました。気分が、僅かですが確実にグッと持ち上がってきたのです。
1ヶ月もすると「何かしてみよう」という気持ちが湧いてきて、ハローワークに出向き職業訓練を申し込んでいました。不思議と気力が漲っており、そこで一気にヘルパーの資格まで取れてしまいました。
一気に頑張ったので、そのあとの波でいったん低空飛行に。それでも何とか布団から出て毎日家事や保育所の送迎ができるようになりました。
何と言っても「効いた」という確かな実感が自信と希望になったのです。
パキシル自体はその後、服薬すると暴力的になるとか衝動性が高まり自死の危険性があるなどかなり問題視されましたが、私の場合はドン底から救ってくれた命綱だと感謝しています。ガツンと効く感覚は、他にもいろんな薬を飲みましたがパキシルが一番でした。
抗うつ剤と妊娠の関係性がまだあまりわからなかった頃で、二人目を望むためにパキシルの断薬を試みた時がありました。しかし強い薬の断薬はとても難しく、離脱症状がとてもキツかったです。
最終的には0.5錠までこぎつけましたが、目線を動かすたびに頭の後ろでシャリシャリ鳴る嫌な感覚が消えずイライラすることも断然増えてしまったので、妊娠は諦め服薬を続行することにしました。
その後しばらくして、若干躁転気味になり医師に相談しました。将来的に断薬しやすいようにより副作用の少ない薬に徐々に置き換えながらパキシルを卒業しました。
このクリニックの主治医は薬のセレクトが上手で、具体的な困りごとを相談すると薬の種類だけでなく飲むタイミングも加味して処方してくれます。うつの症状と言っても多種多様ですので、それぞれの症状に合わせて薬を併用してくれました。
決して処方する種類は多くなく、改善してきた旨を伝えると絶妙に減らしてもくれて、信頼のおける医師です。
どの薬が良いかや、効き目と副作用だとかいろいろな情報が飛び交っていますが、どんな薬でも「どう使うか」が重要なのだと今は思います。薬が目的になるのではなく、QOLを上げる手段の一つに過ぎない、と私は捉えています。
医師とよく相談しながら、効果と副作用と天秤にかけ上手く使いこなしていきたいものです。
パキシルについて脳内の神経伝達をつかさどるセロトニンの働きを強めることにより、抗うつ作用や抗不安作用を示し、憂うつな気持ち、突然の激しい不安、強迫観念、人前での過度な緊張などの症状を改善します。通常、うつ病・うつ状態、パニック障[…]