ある朝突然頭が重い、体が動かない・・・。また来たと思いました。普段はどちらかというと活動的で、明るい性格なのですがたまに「ガス欠」を起こします。
しっかり寝ているはずなのに、よく眠れていない気がする・・・睡眠の質が鬱のきっかけになるんじゃないか・・・。と気づいたのは数回目の鬱発症の後でした。
振り返れば、小学生時代に何もできなくなり夏休み中引きこもったことが初めての鬱発症でした。当時は「自分はおかしくなってしまったのか」、「やる気がでないのは甘えているのか」と子どもながらに考えていました。
抗うつ薬もさほどなく、「鬱は誰でもかかる心の風邪」という風潮もなくて、定期的に発症する鬱に悩んでいました。
1ヶ月ほど暗く沈んだ世界にいて、ふと元の自分に戻るという子ども時代。進学で張り切り、中だるみの時期に「ガス欠」を起こすことを繰り返した20年間。全力で走ってはばったり倒れる、どうしていいのかわからない年月を過ごしてきました。
「これは鬱病だ。誰でもかかる心の風邪だ」と正面から向き合い、気持ちが軽くなったのは、出産をきっかけに最大の鬱を発症した時でした。思うように取れない睡眠、コントロールの効かない気持ちの制御、泣きながら心療内科を受診しました。
心療内科の先生がじっくりと話を聞いてくれて、「それはつらいね、でも大丈夫ですよ。」とゆっくり語りかけてくれた主治医の言葉にたすけられました。
処方されたのは「デバス」など4種類の抗うつ薬でした。薬の嫌いな私でしたが、すがる気持ちで服薬しました。
長期で服薬することで効果を発揮させる「パキシル」はゆるゆると効いたのかもしれないですが、突然訪れる焦燥感が辛かった私には「デパス」がお守りでした。毎食後に1錠ずつ処方されたデバスを飲んだ後は、気持ちが軽くなり落ち着いて家事などもできるようになりました。
嬉しくて涙が出そうになったのを覚えています。しかし、薬を飲んだはずなのにふと現れる焦燥感に不安な気持ちになりました。
不安になった私は、次の受診時に「薬が効かない」ことを訴えました。そしてデパスは1回2錠になりました。
食後定期的に服薬を続ける内に、この薬にはリズムがあるのではないか、ふとそんな気がした私は、体験談を読みあさりました。そして短時間で効果が現れ、切れることも早いと知ったのです。
「安定した気持ちで生活するには服薬方法を変えよう。」
そう思った私はデパスを食後2錠飲むのをやめ、1錠ずつ4時間おきに服薬するようになりました。血中濃度が下がり始め、焦燥感が顔を出すと辛い時間もありましたが4時間まではと耐え服薬をしました。
とたんに気持ちが落ち着くような気がしたのです。どこに行くにもデパスを持ち、時間がきたらきっちり服薬。
しかし、このままでいいのだろうかと想いながらも、薬がないと生活できない日々をおくっていました。
そうです。過去形です。
何となく始めた遊びが趣味となり、毎日時間きっちりに服薬していた薬を忘れたことにも気づかなくなった時、ふと「どのくらい飲まなくてすむだろうか。」と時間をあけてみました。断薬というほど意気込むでもなく服薬することを忘れるようになりました。
それでも今でも「私は、何かあった時のためのデパス」とポーチには忍ばせています。自分なり「心の風邪」と上手に付き合っていけるようになったのかもしれません。
デパスについて主成分はエチゾラムで、ベンゾジアゼピン受容体に作用し、不安や緊張をやわらげます。また、筋肉の緊張をとる作用があります。通常、神経症、うつ病、心身症(高血圧症、胃・十二指腸潰瘍)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害の[…]
パキシルについて脳内の神経伝達をつかさどるセロトニンの働きを強めることにより、抗うつ作用や抗不安作用を示し、憂うつな気持ち、突然の激しい不安、強迫観念、人前での過度な緊張などの症状を改善します。通常、うつ病・うつ状態、パニック障[…]