2年浪人の末やっとのことで第一志望の大学に入学しましたが、数か月したころ原因不明の片頭痛に悩まされ、一か月ほど講義に出られなくなりました。そのせいで前期は4単位しか取得できず、勉強に対するやる気がすっかり失せてしまいました。
また中学・高校と将棋部に所属していたこともあり、大学でも将棋部に入りました。 大学将棋の大会は個人戦と団体戦があるのですが、団体戦の全国大会出場を果たすのだと、毎日のように部室にいりびたって将棋漬けの毎日を過ごしていました。
そんな学生生活でしたから当然講義へ行く回数は少なくなり、取得単位数も一向に増えないままでした。
大学3年の冬になってようやく団体戦の全国大会出場が叶いました。ただ大会が終わると将棋に対する情熱が冷め、単位不足で卒業できないという現実に引き戻されることになりました。
それからの大学生活は何の楽しみもありませんでした。単位取得に専念するために部室へ顔を出さなくなる一方で、ほとんど講義に行かなかった為学部の友人・知人がまったくおらず、1人黙々と勉強する日々が続きました。
5年生になると大学院への進学組を除いて同期はほとんど卒業してしまい、さらに孤独感が増しました。
しかし6年生も終わるころになると、どうにか7年生で卒業できそうな見通しがたってきました。そこで就職活動を少しだけしてみたのですが、ピンとくる業種がなかったのですぐにやめてしまいました。
大学の講義があまり面白く感じなかったのと、なぜか職業に関しては安定志向だったこともあり、理工学部であったにもかかわらず、事務職の公務員試験の勉強を始めました。
約半年に渡り法律や経済学などなじみのない分野を20科目以上暗記し、第一志望の自治体の筆記に合格することができました。しかし、迎えた面接では2人の面接官を前にして、私は緊張のあまりほとんど何もしゃべることができませんでした。
面接後に「就職もできないうえに、他人とまともにしゃべることもできない私は社会不適合者だ」と強く感じたのを覚えています。
帰宅してから自分の部屋にあるあらゆるものを破壊しました。破壊できるものがなくなると、何もやる気が起こらず、部屋を真っ暗にして昼夜問わず寝たきりの状態が続くようになりました。