2年前の夏の事です。
数か月前に「機能性ディスペプシア」を発症し服薬治療をしていましたが一向に回復せずに悩んでいました。もしかすると、精神的なものが原因かもしれないと思い、自分に見合った治療をしてもらえる心療内科を探していました。
相性の良い病院を見つけるのに苦労しましたが、3件目でようやくじっくり話を聞いてくれる心療内科が見つかりました。
自律神経失調症の疑いはあったものの、うつ状態になるほどの気分の落ち込みはなかったですし、原因不明の胃の不調に悩んでいた状態だったので、それに合う「ドグマチール」という薬を処方してもらいました。
この「ドグマチール」という薬は、元々は胃薬だった事と、抗うつの効果もあるとの事でその時は現状の私にピッタリの薬だと思っていました。
ただ、この薬は同時に副作用もあり、主に「生理が止まる」というものでした。 余程重大な副作用なのか、この件については医師からも入念な説明がありましたが、とりあえず副作用のリスクを冒してでも試してみたいという思いが強く、服用してみる事にしました。
服用を始めてから数日後、心なしか胃の調子が良くなったように思いました。直後に予定されていた生理も無事来たため、当初は「この薬は大丈夫」と感じていました。
しかし、服用を始めてから1ヶ月過ぎた辺りから徐々に異変が出てきました。
次に予定されていた生理が来なくなった事がきっかけです。最初のうちは単純に「生理が来なくなったな」と受け止めていた程度でしたが、次第に倦怠感に襲われたり、気分の落ち込みも激しくなっていきました。良く考えたら薬で生理周期を狂わせているわけですから、ホルモンバランスが崩れて心身ともに異常が現れてもおかしくなかったのです。
結果的に約3か月間生理が来ませんでした。生理周期が狂った事が原因なのか、薬の抗うつ作用が影響しているのかは不明ですが、日に日に気分の落ち込みが酷くなる一方でした。 ただの落ち込みではなく、今まで経験したことがない感覚もありました。
例えると、地面の中に引きずり込まれそうになるくらい、とにかく体の重さが尋常ではないという感じです。大げさかもしれないですが、崖みたいな所があったらいつでも飛び降りてしまう状態にまで陥ってしまいました。今思うと、駅のホームなども危険だったかもしれません。
生理が来なくなりホルモンバランスが崩れる事の恐ろしさを改めて思い知らされました。 医師に症状を話したところ、すぐにドグマチールの服用を中止する事になりました。 その後無事生理も再開し、ドグマチール服用中にあった異常な気分の落ち込みが嘘のように消えました。
現在は「ダンドスピロン」「半夏厚朴湯」を服用中で、症状も落ち着いています。
精神系の病気は特に安定した治療方法に辿り着くまでに時間がかかると言われているのが現状です。今回この体験談を書いた事によって、これから「ドグマチール」の服用をしようとしている方のご参考になれればと思っています。
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