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抗うつ薬の体験談【ドグマチール】

高校生時代に胃の調子が悪くストレスだろうといわれ、胃薬の効果と抗うつ効果があるということで処方されたのがドグマチールでした。

ほとんど胃薬の感覚で服用を開始したのですが、服用を始めてからしばらくして妙に胸が張るようになりました。当時の私の頭の中ではドグマチールとは全く結びついておらず、おかしいなと思いながらもそのままにしていました。

ある日何の気なしに胸を握ったところ母乳がでました。出産経験などもちろんなく、パニックになり急いで母親に相談し、付き添ってもらい近所の産婦人科を受診しました。

血液検査の結果、血中プロラクチン濃度が800ありました。(単位は忘れてしまいましたが)通常の数十倍はあり、このままだと不妊症になる可能性もあるので至急大きい病院にかかるように指示され、紹介状を書いてもらい総合医療センターを受診しました。

そこでも血液検査され、他婦人科の内診や甲状腺など色々な検査をしましたが、その際に
「何か薬を飲んでいますか?」と医師に聞かれ、(30年近く前なのでお薬手帳はまだ
一般的ではありませんでした)ドグマチールの他2〜3種類の胃薬を服用していると話しました。医師が確認し、薬の副作用ではないかとのことでした。

確かに思い返すと、ドグマチール服用後の異常であり、それ以前はそういったことは一切なく
生理も正常でした。プロラクチンがもともと高いのであれば月経が止まっているそうです。

指示通りドグマチールのみ服用を中止したところ、徐々に胸の張りはおさまっていき
母乳も出なくなりました。一か月ほどしてから再度血液検査をしたところ、プロラクチンは正常にもどっており、他にも身体に影響はみられなかったということで通院もなくなりました。

ドグマチールの処方元の医師にはこの経緯を説明し、別の薬に変更してもらいました。当時はお薬手帳や薬剤情報提供文書も一般的でなく、患者に副作用が発症しているのかが分かりにくい時代でした。

その後、薬科大学に進学したので思い出して資料を確認したところ、副作用の欄に「高プロラクチン血症、女性化乳房」等の副作用が記載されていました。男性の乳房が女性化するくらいなのであれば母乳がでるのも頷けました。

それにしても高校生には衝撃的な体験でした。今はインターネットなどで添付文書も閲覧でき、お薬手帳も薬情もあります。情報が多く逆に怖くなる事もありますが、当時にこれらの情報ツールがあればすぐにわかったのになあと思います。

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