私自身、約10年前にオーバーワークや人間関係から、心身ともに体調を崩しました。
最初は不眠から始まり、短時間で効果のある入眠剤を処方されました。しかしそれでも、改善の兆しが見えずに、最終的には「軽度のうつ症状」と診断されました。
その時に初めて、“パキシル”という比較的副作用の弱い、SSRI系(セロトニンの神経細胞への選択的な取り込みを阻害するタイプの薬剤)を初めて処方されました。
正直、当時は自分がメンタルクリニックに通院することも、メンタル疾患に罹患したことにも抵抗がありました。ましてや、日常的に「向精神薬」を持ち歩き、処方することにもかなり抵抗がありました。
しかし、こそこそ通院することも、隠れて薬を飲むことも、「いずれしんどくなるに違いないだろうな・・・」と判断した私は、職場の同僚や家族にはもちろん、友人、恋人、近所の方々にも、病気を“ありのままにオープン”にし、激励を受けながら、薬物治療を開始しました。
しかし、ここからが“辛い副作用”との始まりでした。どんな薬物も、ヒトの細胞にとっては「異物」として認識されますから、主作用と同様に副作用があるのは覚悟をしています。薬の副作用で苦しんだ母親や友人も見てきてます。
処方箋には「副作用として眠気、倦怠感、のどの渇きがあります。」と記載されていました。心配性な私は、パキシルに関してインターネットや本で調べましたが、それほどの副作用がないと書かれていたので安心していました。
しかし、処方1日目。就寝前に処方すると、先ず吐き気がしました。「これぐらいは仕方ないか・・・」と思いました。
しかし、2日目ぐらいから、処方後に身体の中がピリピリする感覚に陥りました。もちろん眠れる訳もなく、それが5日間ほど続きました。かなりしんどかった記憶です。
電話で先生に相談したところ「しんどくても2週間は我慢してください、抗うつ薬は他の向精神薬に比べて体が薬に慣れるのに時間がかかりますから。」とのことでした。
しかし、1週間を過ぎても、夜中に起こる身体のピリピリ、が止まりません。不眠もひどくなり仕事のお休みを頂き、メンタルクリニックの先生に直接相談にいきました。
先生は「本来は、減薬をするところですが、不眠が続くと本末転倒ですね。一旦、抗うつ剤の処方を中断して、気分安定剤などに切り替えましょう。」と言われました。
そこで“デパス”と“ソラナックス”という、比較的メジャーな気分安定剤や抗不安薬を処方されました。こちらの薬は睡眠導入効果も兼ねているので、不眠もかなり解消されました。