うつ病・抗うつ薬の体験談を500件以上公開しています

抗うつ薬の体験談【認知症での抗うつ剤の使用】

義父が認知症になり、まだ実家で暮らしていた時のことです。当時は月に1度の通院で、認知症が進まないようにということで治療の一環として抗うつ剤を処方されていました。

病院に通う前の症状としては、物忘れ、徘徊がメインだったように思います。当時は特に徘徊がひどく、一日に何度も散歩と称して家を出て歩きまわっていて、ひどい時だと夜中に家を出てしまうこともありましたが、まだ何とか家の場所は忘れなかったようで必ず家には帰ってきていました。物忘れで目立ったのが食事をしたかどうかがわからなくなったのが一番だったと思います。


しかし病院で処方された抗うつ剤が身体に合わなかったのか、それとも何かのきっかけで症状が進んでしまったのか通院を始めてからしばらくして様子が変わってきてしまいました。

まず、薬の影響でぼーっとすることが多くなり、はじめは寝ている時間が増えたかな、くらいだったのですが、だんだんと昼夜もわからないようなことが増えてきました。以前は暗い時間に外に出ようとしたときには「今は夜だから外には出ない方がいいよ?」といえば収まりましたが、その頃には「外が暗いのは天気が悪いだけだ!外に出る!」といって何時でも外に出たがるようになりました。あまり言いすぎるとものすごく怒ってしまうので、そういうときは仕方なく一緒に外に出て少し歩いてから家に入るようにしていました。

もともとはお腹が悪いということがあまりない義父でしたが、おそらく薬の影響でひどい便秘症にもなりました。
その後も病院とは相談をしながらしばらく投薬をつづけていましたが、どうしても無理だ、と思うような出来事が起こり、医師と相談をして薬を辞めることになりました。

そのきっかけになったのが、せん妄なのかどうなのかわかりませんが、一緒に住んでいた義父にしたら一番かわいがっていたうちの息子(義父にしたら初孫です)の首をしめたことです。夜中にお互いがトイレに起きたときに廊下ですれ違ったときに、義父が息子の顏を急にまじまじと見て「お前は誰だ!泥棒か!」と叫びだし、息子の首を絞めたそうです。

高齢の義父と10代の息子とでは普通であれば息子の方が力が強いはずなのですが、そういう時は不思議と力が出るものらしくものすごい力で首を絞められたと息子が言っていました。家族全員その騒ぎで目が覚めたのですが、それをきっかけにすぐに病院へ行き、在宅ではもう無理だと話をして薬を変えてもらい、すぐに施設を探し始めました。