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うつ病の体験談【LGBTの方の事例】

私は現役の精神保健福祉士、社会福祉士の資格持っており、現在も精神分野における仕事をしています。

最初に務めていた病院ではリハビリをする場所があります。そのリハビリ施設に異動になり、私はそこでAさんに出会いました。

Aさんは性自認が違うとして生活している、いわば「LGBT」の方です。その事に悩み続けて、うつ病も併発していました。

私が担当となった時には、抗うつ薬のルボックスを服用していました。他にも数種類のお薬を服用していました。

リハビリで出会った時は、良く怒られていましたが、Aさんとの関係性を作りたくて、Aさんが来たときには挨拶は欠かさず行いました。TVの話等、たわいもない話から関係性を保てるようにしていきました。

担当になると、必ず面談を行う必要があります。数回の面談を経て、個別での面談をした時に突然Aさんから、LGBTのカミングアウトを受けました。それまでは、何となくそうなのかなーとは思っていましたが、実際聞くと驚きました。

ですが、世の中にはAさんのような方は沢山います。偏見のない世の中にはなってほしいと現役で精神分野に携わる者としては感じています。

ルボックスの効果ですが、服用方法も担当医と相談しながら減薬したり、調子が悪い時は元に戻したりと、リハビリの診察で、しっかりとお話をされました。

Aさんは働ける年齢でもあり、賢く、周りの患者さんからも慕われていたので、試しに就労支援をしたらどうか?とお話しました。

私だけでなく周りもスタッフも「Aさんなら大丈夫。」という意識がありました。

ですが、Aさんの答えは「〇〇なら就労できるよと言わるけど、自信がない。LGBTのことをカミングアウトしたくないし、続けることは出来ないと思う。今のままが安心して生活できる。」と言う返答でした。

うつ病の患者さんは環境の変化を恐れてしまう傾向にあります。その話をした時の私の返答は「あなたの今の言葉は尊重する。けれどAさんなら少しずつでもできると思うし、バックアップは必ずする。」とお約束して、話は終了しました。

今現在は就労しているか正直わかりません。また、Aさんはルボックスに拘りがあり、新薬が出ても「薬は変えたくない。」の一点張りだったので、そちらは担当の先生にお任せしていました。

補足ですが、AさんがLGBTをカミングアウトしたと書いていますが、当時はその言葉はなかったです。内容としては、本当は性自認はこうなんだと言っていました。