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うつ病の体験談【「うつ病」を経験するということ】

私は「うつ病」患者です。
皆さんは「うつ病」についてどんなイメージを抱いていらっしゃいますか?

「怠けだ」「気のせいだ」と周りから思われて辛い思いをしているうつ病の方のことを、たまには考える時間を作って頂けたらと思い、キーボードを打っています。

私がうつになったのは小学1年生の頃からです。
学校に行けなくなりました。いわゆる登校拒否です。

理由は?と聞かれて出てくるのは、大体の方たちが「いじめ」だと思われがちですが、実際はそれだけではありません。「先生が嫌い」「友達が嫌い」「学校自体が嫌い」などは皆さんも考えればすぐに出てくるかもしれません。

ただ、見えないところにもうつは潜んでいます。
私の場合は、家庭環境でした。

どこにでもある嫁姑問題を間近に見ていました。そのため、人間自体が苦手になり人見知りの激しい子供でした。

子供にとって家族は「小さな社会」であることをご存じですか?
人が生まれて初めて触れる社会、それが「家族」なのです。

だからこそ、この場所に居てもいいと思える雰囲気づくりは、とても大切です。

自分がいることで母親がいじめられていると勘違いしてしまうこともあるし、今生きている小さな社会のなかで繰り広げられている物事は大きな社会に出たらもっとひどい目に合わされるのではないかという恐怖もあります。

こんな風に誰にも気づいてもらえずに、一人で抱え込んでしまうケースがほとんどです。

親の目にも届かないところで、家族の何気ない数々の日常茶飯事(嫁姑問題)で私のうつも進行していきました。それは、中学、高校にまで及びました。

しかし、とあるきっかけを境に学校に行けるようになりました。
理由は、「夢」ができたからです。

自分の意志で考えて行動をすることが出来る幸せを知りました。やりたいことを勉強するため専門学校へ進学し、不安だった学生生活も楽しいものへと変わり、ほとんど休むこともなく登校し、きちんと卒業することができたのです。正直言って、自分でも驚きました。

学校に行くということ、友人をつくるということ、こんな私に出来るわけがないと思っていたことが出来てしまった自分を誉めてあげたいとさえ感じました。

私にも出来ることがあるのだと、本当はやらなかっただけで動いてみれば案外簡単に出来るのだと、案ずるよりも産むが安しを身をもって体験しました。

これが、私の自信につながり、今を生きる上での糧となりました。

もちろん、うつが完治したわけではありません。今でも社会に出て嫌なことは沢山あるし、そのたびに落ち込みます。しかしこの経験があるからこそ、何があっても私は大丈夫だと思うことができます。

うつを乗り越えるのは並大抵のことでは出来ません。

けれど、気づいたら考えなくなっていたという経験が増えれば増えるほど、うつの症状は軽減していくものなのだと、私は信じています。