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うつ病の体験談【同僚がうつになった】

2年ほど前に体験した、職場の同僚がうつになった際の話です。

その同僚(Aさん)は、当時30歳の女性、私より5年早く入社した方でした。
Aさんは自分でも日頃から「私引っ込み思案だから」「自分の思ってることが言えない質なの」と言っており、人のお世話をすることを好んでいたので「優しい人なんだな」と思っていました。

ところが、私が入社して半年ほど経った頃から、Aさんの仕事のミスやネガティブな発言が目に付く様になって来たのです。財務関係の絶対ミスをしてはいけない処理を忘れてしまって、クライアントを激怒させたこともありました。

まだその頃は、私も多少疑問を抱きましたがあまり気に留めず、他の同僚や先輩たちも「毎月やっている処理をどうして忘れたんだろう」などと言っているだけでした。

しかしその後もだんだん俯いていることが増え、ボサボサの寝ぐせのまま出社したり、終業後1時間も2時間も更衣室にいて帰らなかったりするようになりました。

そんな日々が何週間か続きさすがにおかしいと思った部署のリーダーが、ある日上司に状況を相談をしました。そして上司からAさんに1度病院に行って相談することを勧めたのですが、Aさんは自分の変化に気付いていない様で「私を病気にして辞めさせたいんだ」とさらに落ち込む結果になってしまいました。

それ以上通院を勧めてもパワハラだと誤解されては困ると、上司もそれ以上は言えず、本人に気付かれない様に少しずつ、責任の重い仕事を他の人に任せるようになりました。

その後もAさんのミスとネガティブな発言は徐々に悪化し、ついに突然会社に来られなくなってしまったのです。

休んでから家族に付き添われて病院で診察を受け、うつ病と診断されたとのことでした。

本人に病識はなかったものの、勤務している間は辛い思いをしていたんだろうなと想像すると、心苦しいです。おかしいと思った時点で、同僚として何かしてあげられなかったのかと、今でも考えてしまいます。

ただ、うつの方はちょっとした悪意ない一言で傷付いてしまうと聞いたこともあるので、もしまた似た様な場面に出会ったとしても自分には何もできないのではないかとも思います。

「会社の同僚がうつっぽくなったらこうしよう」というような情報が各会社に用意されていたら、今後働く人にとって安心な環境になるのではないかと考えています。