ブラック企業に17年間勤め続けた末にうつ病を発症し、休職・退職・転職を経て現在も通院を続けている方の体験談です。
診断から回復に向かうまでの経緯と、当時利用できた支援制度について、本人の言葉でつづられています。
体験談の要点
- 発症のきっかけ:17年間の長時間労働・上司の暴言
- 主な症状:集中力の低下、気分の落ち込み、不眠、味覚の麻痺、関節痛、思考能力の低下
- 治療:心療内科でうつ病と診断、ドグマチール・レキソタン等を処方
- 経過:診断書提出→職場環境は改善せず→休職→43歳で退職→転職
- 支えになったもの:自立支援医療受給者証、傷病手当、雇用保険(当時)
- 現在:服薬は終了、定期通院を継続しながら落ち着いた生活を送っている
17年のブラック企業生活とうつ病の発症
それまでの私は世にいう「ブラック企業」に勤務しており、長時間労働と上司の暴言に耐える生活を17年間、送っていました。
2010年の4月下旬頃から「なんとなく意識が遠い」「集中力が無い」等の異変が起こり始めました。
異変が起こり始めてから徐々に症状がひどくなり始め、原因も無く気分が落ち込む、頭が重い、不眠、味覚の麻痺、関節痛等が起こるようになりました。
その時は「夏バテ」だと思い込み内科を数件回りましたが回復せず、3件目に行った病院で精神的な問題の可能性が大きいと言われ、心療内科に向かったところ、うつ病診断がされました。
それから私の闘病生活が始まったのです。
診断後の治療と、変わらなかった職場環境
うつ病と診断された後、病院から「ドグマチール」「レキソタン」という、うつ病用の薬と睡眠導入剤を処方され、薬の服用と2週間事の通院による治療が開始。
診断書を書いてもらい、会社に提出しました。その時点で会社には、うつ病を抱える社員が数名いたので「通院による有給休暇の取得」と「残業の低減」を許してくれ、口の悪い上司に暴言を控えるよう進言してくれました。
しかし3か月も経過するとすっかり元に戻ってしまい、診断書の効果は無くなっていたのに気が付きました。
それでも職を失うわけにはいかなかった私は、薬を服用しながら勤務を続けておりました。
私の勤務状態は「週に一度は徹夜作業(夜勤ではなく、朝から次の日の夕方まで勤務)」「8時30分~22時まで勤務」「休日は月に2日」ということが続き、とうとう2015年12月、2度目の診断書が発行され「通常勤務不可能」の一行が追加されました。
その時はもう「思考能力が低下」「まっすぐ歩けない」「抗うつ剤が効かない」といった症状が出ていました。そこから「休職」となり治療に専念することになったのです。
休職・退職と、制度に助けられた日々
休職した直後は仕事を忘れようとしても頭から離れず、常に気分が落ち込んでいる状態が続きました。
体も常に疲労感が抜けず、不眠も続いている状態でしたが、2ヵ月程経過した辺りから徐々に落ち着き始め、回復に向かっていきました。
しかしこのまま復職しても同じことの繰り返しだと感じた私は43歳にして退職を決意し、無職となりました。
無職になった私でしたが、自立支援医療受給者証(精神通院)が発行され、うつ病での通院は医療費免除となりました。
また社会保険の傷病手当も残り半年ほど受給できたので、乗り切りることができました。
40代での転職は困難を極めましたが、傷病手当の受給終了後には雇用保険が適用されたので何とか食い繋ぐことが出来ました。
保険の受給が終わった1ヵ月後に転職先が決まり、やっと安心できました。収入は激減したものの、以前よりずっと落ち着いた生活を送っています。
転職を経て、今思うこと
このように、うつ病になっても支援してくれるところは多々あります。
自分が「死なない」ように、まずは逃げて下さい。死ななければ何とかなります。
始めて心療内科に行った私は「どうして自分がこんな目に合うんだ」「まさか自分がうつ病になるとは」等の混乱がありましたが、薬が効いて来た後は落ち着くことが出来ました。
私が言えることは「うつ病かも?」と思ったらすぐに病院に行く、ということ。
私はうつ病かも?と思ったときに、知人数人に相談しましたが、心無い言葉しか返ってきませんでした。
自分を救えるのは自分だけだと感じたのを今でも覚えています。「まずは他人の話より薬の処方」が大切です。
うつ病のまま抗うつ剤を飲まないのは、足を骨折した人に走れ、40度の熱を出した人に働け、というようなものです。
「心の風邪」なんて緩い病気ではありません。即、薬で症状を和らげて下さい。
私は現在も定期的に通院しておりますが、薬の服用は止めることができました。
それでも、いつぶり返すか分からない病気ですので、現在も気が抜けません。その時はすぐに病院に頼ることにしています。
まとめ
17年にわたる過酷な労働環境の中で症状が積み重なり、それでも職を手放せずに働き続けた経緯が伝わってきます。
「即、薬で症状を和らげて下さい」という言葉は、この方が薬による治療で落ち着きを取り戻した実感から来ているものです。治療の方針や薬の選択は人によって異なるため、受診した上で医師と相談してください。
自立支援医療や傷病手当など、利用できる制度があったことがこの方の支えになっています。制度の内容は時期や状況によって変わるため、現在の詳細は各窓口でご確認ください。
※このページは個人の体験談を紹介するものであり、特定の薬の効果や安全性を保証するものではありません。本文中の「即、薬で症状を和らげて下さい」「まずは他人の話より薬の処方が大切です」といった表現は、この方の体験をもとにした個人的な考えです。薬の使用、増量、減量、中止については、自己判断で行わず必ず医師や薬剤師に相談してください。自立支援医療・傷病手当・雇用保険などの制度情報は、本文執筆当時のものであり、現在の内容や条件は変更されている場合があります。最新情報は各窓口や公的機関にご確認ください。
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※Awarefyは医療機関による診断・治療の代わりではありません。通院中の方は治療を中断せず、必要に応じて主治医へ相談してください。
