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抗うつ薬の体験談【サインバルタ】

大学を卒業し、就職してから4年目の秋にうつ病を発症しました。

もともと体力も気力もあるほうではなかったのですが、季節的なものと、職場での上司による社員へのパワハラやセクハラに耐え切れず、会社に行くことができなくなってしまいました。

当時一人暮らしをしていたため、会社へは休みの連絡をするものの、食欲などもまったくなく、ほとんど自宅に引きこもってしまっている状況でした。

2か月くらい経ったころ、いい加減どうにかしないといけないと思い、当時住んでいたマンションから徒歩で行ける精神科病院を受診しました。そこで初めて診断されたのですが、そのときに処方されたのがサインバルタ(20mg)でした。

わたしは学生時代に心理学を専攻していたこともあり、そういった薬にも多少は理解しているつもりでした。ところが、実際に自分が飲むとなると副作用や離脱症状等のある程度の知識があるために、なかなか決意が決まらず、結局処方されてから1週間ほどは薬を飲むことができずにいました。

当然のことながら一向に体調が良くなる気配はなく、やっとの思いで服用しました。選択的セロトニン再取り込み阻害薬ということは知っていましたので、多少ぼーっとするくらいかと考えていました。

しかし私の場合、一時間もしないうちに頭が軽くなり、白いもやがかかったような感覚になりました。それは気分の悪いものではなく、遠くにいろいろあるのは知っているけれど、手前の白いもやのせいで見えにくくなっているので、「あ、今は考えなくてもいいやー」と思える、そんな感覚でした。

気持ちはとても楽になったのを覚えています。ただ、始めは身体が薬に慣れず、わずかな吐き気がありました。一週間ほどで慣れ、日中も出かけられるくらいになりました。

それから半年ほど投薬、行動療法を続けました。薬を飲んでいた期間は、食欲は回復しませんでしたが、とくに睡眠障害が出るわけでもなく、友人や同僚とも楽しく会話ができるようになっていました。

そんなとき、両親の都合で海外に行く事になり、わたしが抗うつ薬を断薬するきっかけとなりました。航空会社や渡航先のホームページを見て、機内持ち込み不可の欄に向精神薬とありました。

調べる中で「1か月分くらいが目安」や「旅行日程分のみなら大丈夫」など情報がたくさん出てきましたが、言葉も得意でない海外で足止めされたり説明を求められたりする不要な心配事を持っていきたくなかったため、ここで断薬を決意しました。

自己判断での断薬でしたが、それまで一日2回飲んでいたものを1回に、それを2日に1に・・・といった形で徐々に減らすことに成功しました。離脱症状で動けなくなる日もありましたが、約半年でようやく抜けたな、という感覚をもてるようになり、それ以来向精神薬には頼らず生活出来ています。


サインバルタ30mg

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