うつ病・抗うつ薬の体験談を320件ほど公開しています(2020.7.25 現在)

うつ病の体験談【近くにいても遠い存在になってしまった彼】

昔、結婚を約束してお付き合いしていた彼の話です。

歳が8個上で頼りがいのある彼でした。2年ほど付き合ってお互い結婚を意識するようになり、私の両親に結婚前提のお付き合いでと挨拶もしてくれました。弟が先に結婚していて、私が嫁に行くのを心待ちにしていた両親はとても喜び、彼を歓迎しました。


ハンサムではありませんが、彼の良い所は思いやりのある優しい所でした。
例えば両親にプレゼントを用意したり、実家の庭の木を切ってくれたりと悪い印象など何一つなく、サプライズが好きで私の誕生日にはプレゼントを隠してヒントを解いていったらそこにプレゼントが!というような楽しい演出もしてくれました。

付き合って3年目になり、少し「あれ?」と思うような事が増えたのです。それは小さなことから始まりました。メールや電話に応答しない、会っていても別人のように冷たい日も増えていきました。

初めは我慢していましたが、結婚を考えていたので「最近おかしくない?」と聞いてみたんです。
すると彼は「そんなことは無い」と言うだけ。
でもやっぱり今までと違うのは明らかで、何か思っていることがあるなら言って欲しかったので更に追求しました。それでも彼は「何のこと?」と言わんばかりに話を逸らすんです。

そんな日が何カ月か続き、私は彼と結婚する自信がなくなりました。素直に思っている事を言い合えないなら、結婚しても上手くいくわけもないので私は彼に別れを切り出したんです。

すると彼は重い口を開くように、「実はうつ病を患っていて、薬を飲んでいる」と打ち明けてきました。今まで話さなかったのは、言ったら関係が崩れてしまうのが恐かったからだそうです。

彼の服用している薬は主に下痢などの体調不良を起こす事が多く、最近は飲んだり飲まなかったりしていたら感情のコントロールができない日が増えていったという事でした。それに今まで両親や私に良くしていたのは、鬱病と思われないように自分の持つ100%以上で頑張っていたからだと言うんです。

私の「頑張って」という言葉がどんどんプレッシャーになったと言われました。

鬱病の事をよく理解していなった私は、翌日図書館に行き参考書を数冊借りて読んでみたんです。その中には患者に対し、「頑張れ」は絶対に言ってはいけないと書いてありました。本を読んだくらいで理解したわけではないですが、そういう理由ならマイペースでこのまま現状維持をしようということになり、彼とのお付き合いを続ける事にしたんです。私が彼をなんとか立ち直らせると決めて、両親にはこの話は伏せていました。

付き合いを続けても今まで通りというわけにはいかず、彼はどんどん心を閉ざしていく一方で関係はもっと悪くなっていきました。喜怒哀楽は日に日に違って、悪い日は連絡も無視、良い日はついていけないくらいのテンションの高さで戸惑う日が続きました。

参考書で読んだタブーはやらないと心がけていましたが、一緒にいて叫ばれたり、目の焦点が合っていなかったりと怖い思いもしました。だんだん私の心もいっぱいいっぱいになってきたんです。出会った頃とは全く違う人間と接しているようでした。

結局一緒にいても私は彼に何もできなかったんです。立ち直らせる事も、彼の心の支えになる事もできず何の役にも立たない存在だったんです。そんな関係は続くわけはなく、彼とは別れることになりました。

この経験で私は、鬱病はどんなに理解しようとしてもどうにもできない病気なんだと知りました。私がしようとした事は単なるお節介に過ぎなかったのです。彼とはもう連絡を取ってはいませんが、今でも健康に生きている事を遠くから祈っています。