50代の会社員です。約30年のサラリーマン生活のうち、うつ病治療に約5年、うち3年を休職して治療に費やしました。
現在は日常生活を取り戻して、3年ほどになります。今回は、うつ病の薬と治療について記したいと思います。
薬について最初に記しますが、うつ病の薬は自分にはほとんど効きませんでした。そのため、効果のあった薬を伝えることはできません。5年間で、3つのクリニックへ通院し、SSRIを複数処方されましたが、いずれも大きな変化はありませんでした。
ただ、自分の場合、一時期はビタミン剤、睡眠薬も含めて10種類も服用していたため、いずれかの薬に絞れば効果があったのかもしれません。
しかしうつ状態がひどいときは、そのような冷静な判断ができませんでした。医療費控除や補助制度があるとはいえ、薬代はかなりの経済的負担でもありました。
休職期間は合わせて3年でした。長い休職期間は1年、あとは数ヶ月間の細切れでした。休職中、通院しているクリニックの医師からは、投薬以外に規則正しい生活、運動を勧められましたが、ほぼ出来ませんでした。
うつ病がひどいときは、頭のなかに霞がかかっているような状態で、思考がまとまらず、判断能力が無くなりました。
体力も極端に衰え、座っていることも難しい状態が約1年続きました。今思うと、そのような状態のとき寝ていれば、それが治療になったと思います。
医師のアドバイスに従えない自分を責め、自分が怠け者だからだと決めつけていました。しかし、起きていられないなら横になって休めば良かったな、と今は思えます。
こと心療内科については、あまりにも患者側の症状に個人差があるため、時として医師のアドバイスが的を射ないこともあるように思います。
医師の能力というより、心療内科の研究がまだ発達過程であるためと考えます。そのようなときは、自分の体が欲することをして労るのが、治療の早道と思います。
現在は元の職場に戻り、サラリーマンを続けています。復職から1年間位は、上司にうつ病患者というレッテルを貼られた感じもありましたが、現在は休職していたことを忘れそうになるくらいの生活を送れています(時折、軽いパニック症状がでることはあります)。
もちろん、休職はサラリーマンにとって大きなマイナスで、出世の道は無くなりました。しかし、毎日ひたすら膝を抱え、自分が生きているのかどうかも分からなくなるような不安や恐怖感に比べたら、たいしたことではありません。
うつ病治療中は、日常生活に戻ることが想像できませんでした。今は、明けない夜はない、と使い古された言葉ですが、その通りだと実感しています。