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うつ病の体験談【引きこもりのサイトで知り合った人】

4年ほど前、私は少しうつ気味だったので、ずっと家にいました。

といっても数か月なのですが、その間に気が向けばネットであれこれ調べていて、精神障害のある人が集まるサイトを見つけました。

ネットだからなのか、うつ病だからなのか、そのコミュニティで長く続くようなやり取りができる人はいませんでしたが、その中で一人、40代後半で大学卒業以来ずっと引きこもりという人に出会いました。

同郷ということもあって、話が合うこともいくつかあり、メールのやり取りがしばらく続きました。

本人はうつ病と言っていましたが、若いころからの人見知りが原因で引きこもりになり、それが原因でうつ病っぽくなったようです。ネットでしばらくやり取りをしてから、実際にカフェで会うことになりました。

それまでメールでは話せなかったような細かいことも話したのですが、大学進学で上京したこと、実家の両親から生活費を送ってもらっていること、職を探すことも何年も前に諦めているということ、社会生活がほとんどなく、お金がががるという理由で病院にも行っていないことなど、聞かせてくれました。

うつ病と言いながら、病院に通うこともなく、自己診断でネットで買えるという抗うつ剤を飲んでいるということも聞きました。

その方はネットで知り合った精神障害者の方に勧められ、今まで行っていなかったメンタルクリニックに通い、障害者手帳の申請をしました。

本人は、障害者枠で雇用してもらえるところを見つけて就職したいと、珍しく熱く説明していましたが、結局就職活動もせずそのままでした。

はたから見ていても、買い物や身だしなみ、病院など、何をするにも時間がかかり無気力に見えました。

病院に行き、お医者さんからは適応性障害と言われたそうです。今まで自己診断でうつ病だと言って海外から抗うつ剤を買って飲んでいたのに、適応性障害ではうつ病の薬が効かないそうです。

本人も薬を飲んでも何も変わらないけど飲まないよりまし、と言いながら私に会う時も含め出かけるときなどはその薬を服用していたようです。

私はそんな彼を見ながら、単純にうつ病と言っても、色々な精神障害が絡みあって結果的にうつ病になるんだと思いました。

家から出ずだれにも会わない、買い物に行かないので栄養バランスも悪い、家族との連絡も取らないなど、生活環境も決していいとは言えず、想像しても気持ちのいい物ではありませんでした。

4年ほどの付き合いになり、今まで病気や生活のことをいろいろ話してきましたが、彼を見て、自分一人ではなかなか簡単に治る病気じゃないんだと思いました。

幸い私は家族と一緒に住んでいましたので、お医者さんの勧めで、日光に当たることやバランスよく食べて、睡眠のリズムを作るなどの簡単なことと、処方された薬の服用など、そして家族に声をかけられること、一緒に外出することでずいぶんよくなりました。