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うつ病の体験談【鬱とギャンブル】

毎日夜遅くに帰ってきては、朝早くにご飯も食べず夫は出社していきます。休日は週に一回だけで平日はとにかく家にいません。週末は接待の飲み会です。

帰宅後の夫はかなりお酒臭く、気持ち悪いとトイレに向かい出てきません。翌日は二日酔いで一日中寝ている休日です。


そんな日が続き、結婚してから二年目が経ちました。ある時夫が私に放った言葉、「今の会社辞めないともう駄目だ。辞めてもいい?」と言いました。毎日朝から晩まで、そして休日も返上してパワハラ上司に耐えながらがむしゃらに走ってきた夫です。

今までにも何度か会社を辞めたいという台詞は聞いてきました。でも、その時は明らかに思い詰めていた夫の表情に私は軽々しく「頑張りなよ」なんて口が裂けても言えませんでした。

結局私は、「うん。本当にしんどくなってどうにもならなくなる前に辞めた方がいいかもしれないね。」とだけ答えました。その時専業主婦をしていた私には、「弱音を吐くな」とか「心が弱いんだよ」なんて言える立場でもありませんでした。

退職することが決まってからも、やはりすぐに辞められるわけではないので体調不良のまま夫は何とか毎日出勤していました。でも、実際は夜眠れず朝も起き上がるのがやっとで電車にも乗れず、私は0歳児の子どもをベビーシートに乗せて主人を職場まで毎朝車で送迎していました。

私も、生まれたばかりの子どもの子育てに四苦八苦していました。周囲のママ友が話すパパのイクメン話を見たり聞いたりする度に、私はなんでこんなに不幸なんだろうと暗い気持ちになっていきました。

そして、夫がついに退職しました。そこからが本当の地獄の始まりでした。毎日、寝不足になりながら子どもの世話に明け暮れる生活になりました。今度は朝になっても夫は起きてこず、ずっと布団の中から出てこない夫が毎日家にいることになりました。そんな暮らしを強いられました。

退職する前は、「すぐにでも新しい仕事を始めたいから就職活動するよ」と言っていたのに、私が子どもをつれて買い物などに出かけた隙を見計らっては、家のお金を使い込んでいました。退職金は、当面の生活資金に回そうと話していたのに、その全ては夫のギャンブルに使われてしまい、あっという間に底をつきました。

体調が悪いのに、病院に行きたがらない夫を見かねて私は精神科へ連れていきました。鬱病と診断されたらしいです。なぜ、らしい。なのかと言うと小さな子どもを連れて精神科へ入ることができなかったからです。

だけど、いざ夫と小さな子どもと私で待合室に行ったとしても、私はいたたまれなさでやりきれなかったでしょう。それを思うとやはり、あの時は私と子どもで公園へ行ってて良かったんだろうなと思いました。

夫はその後、何度か病院に行ってくると言い外出していました。前向きに病気を治そうと思い始めたのでしょう。私は少し安堵しました。けれどそれは違っていて、実際は病院へは行かずパチンコに競馬場へと足を運んでいました。

私はもう夫の病気云々より、夫自身が信じられなくなってしまいました。何が嘘で何が本当なのか、それさえも分からなくなちました。夫の鬱で、私の中の大切にしていたものがガタガタと音を立てて崩れ落ちていってしまいました。