私は浪人を経験したことがあります。大学受験に失敗したのですが、失敗した者は一年間浪人して辛抱しなさい、という謎の風潮があったからです。
予備校では、個性というものが取り除かれ、性格ルックス関係なく、偏差値というものさしでしか人を判断してくれません。
県内の様々な高校から集い、互いの高校偏差値などのマウントの取り合いから始まり、時間が経つにつれ予備校に来なくなってしまう人もいます。原因は予備校内のイジメです。
トップ層に君臨しているのは、自習をしなくても授業だけ聞いていれば覚えてしまうような天才肌。中間層は、そこそこ時間をかけてまずまずの点数を叩き出す中途半端層。下層部は、時間は割いているのになかなか伸び悩んでいる層。
あいにく勉強が得意というわけではなかったので、このカースト制度に私もかなり苦しみました。高校卒業してもなお偏差値で差別をする世界が広がっていることを痛感しました。
予備校内では、個性を持っていても発揮できるような環境はないため、頭のいい人たちだけで固まり、落ちこぼれたちは孤立してしまうのが普通でした。
差別やイジメが何ヶ月も続き、予備校に行くのが嫌になってしまいました。お金は親に払って貰っているので頑張って行きましたが、帰ってきたら朝まで泣き明かして、また予備校に行くの繰り返しでした。
こういった毎日の精神的苦痛、疲労などにより、気づいた時には5キロも痩せていました。
結果的にこんな精神状態から救ってくれたのは、家族や中学からの旧友の支えでした。
自分は進学校に在籍していたため、学歴に対する異常なほどの執着があり、一定水準以下の大学なら死んだ方がマシなどと考えていました。
そんな精神的に参っていた時に、母親からのある言葉が、気持ちを大きく変化させました。「学歴なんかで人の価値観などは決まらない」
この言葉を聞き、確かにそうだと変に納得した記憶があります。これを機に、変に学歴にとらわれなくなって、視野がかなり広がったように感じました。
そんな言葉を投げかけてくれ、メンタルをサポートしてくれた母には頭が上がりません。