近所の老夫婦のお話です。私が物心つく前から良く可愛がってくれて本当の孫のように接して頂きました。
知らない酔っ払いのおじさんに道端で私が絡まれた時には、すぐに旦那さんが駆けつけてくれてその場を収めていただきました。また、高校を卒業と同時に実家を離れる時に挨拶に伺った時は「寂しくなるけど、頑張ってね。」とお祝いもしていただきました。とても暖かいご夫婦でした。
3年前に奥さんが急に病で倒れ大きな病院に入院し、容態は安定していたと聞いていたのですが、急逝されてしまいました。お通夜やお葬式に参列することが出来なかったのですが、しばらくして父親とお焼香をさせていただき心の中で「ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠り下さい」とお伝えしました。
その後、旦那さんは憔悴しきった様子でした。かかりつけ医の先生からは老人性うつ病と診断されていました。
持病があったため、服薬については「しない。」と断言されていて、かかりつけ医からも特には「絶対に飲みなさい。」とは言われなかったこと、また80歳との高齢だったため服薬にも抵抗があったようです。
人生には必ずしも通る道である「家族の死」はうつ病になるきっかけにもなると言われています。
その後、かかりつけ医の先生から持病を診てもらいながら話をすることでうつ病は安定し始め、また実家から離れていた子供さんが同居を開始してくれた事で落ち着きを取り戻していきました。しかし残念ながら後を追うように、旦那さんは持病悪化によるものが原因で、2年前にお亡くなりになられました。
うつ病になるきっかけは職場、家庭環境などが原因でうつ病を発症することが多いです。自己コントロールが出来る方はなりにくいとは思います。しかし、旦那さんのように最愛の奥様を亡くされてしまい、寂しく思っても言えず、遺影に語りかけるしか方法がなかったんだと思います。
大切な方を亡くされてしまい、現実を受け入れられなくても相談することで気持ちの緩和コントロール、そして最終手段として抗うつ剤の服用もあるかと思います。