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うつ病の体験談【駐車場から職場までくることができない】

職場で中間管理職をしていたときのことです。部下がうつ病になってしまいました。

部下は出勤の際、職場に近くなるほど息苦しくなるそうです。最初は駐車場について、車から降りて、職場の建物に入る、ということでも息苦しさがあったそうですが、だんだんと車のドアを開けるだけでも息が出来なくなり、車から降りることすら出来なくなりました。


最初はそのまま自宅に戻ることも出来ましたが、ついには職場の駐車場で車を運転することもできず、降りることもできず、そのまま固まってしまった、という状態になりました。家族の方をお呼びしてなんとか病院に連れて行ってもらったところ、うつ病と診断されました。

家族の方は毎日普通に仕事に行っていると信じていましたので、私からの連絡やその内容は、にわかに信じられない様子でした。

その後半年近く休職をして、職場に復帰しました。しかしながら復帰した職場でも、業務軽減をしても、勤務を続けることは難しい結果でした。再度の休職をしたあと、結果的に退職をすることになってしまいました。退職後、しばらくして新しい職場に勤務し、その職場では元気になさっているということを聞いて安堵した次第です。

その人がなぜ会社に行くことができなくなってしまったのか、今でもよくわかりません。職場の環境が悪かったのかと思い、部下全員と面接をしたり、休んでいた部下のことについても尋ねたりしてみたのですが、これといって情報はありませんでした。

思うに、うつ病になった人はとても真面目であって、ある意味完璧主義のところがある人である、そういった生真面目な面が、ほんの小さな失敗も許せなくて、うつ病にまでもなってしまったのかと思います。

大なり小なりみんな失敗をするもので、その際は振り返りをしてもらっていました。その人にとっては、そのことも負担だったのかもしれません。人を管理する側にとって、難しい問題だと感じた出来事でした。