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うつ病の体験談【うつなんて無縁だと思ってた】

私は半年前、26歳の時にうつ病と診断されました。

保育士として働いていました。

よく聞く様な、女の職場での人間関係に揉まれ、仕事量に圧され…ということもなく、一年目こそはそれなりに偏見やイビリのようなものはありましたがすぐに馴染むことができました。

というのも、私は幼い頃から偏見やいじめを受けやすい体質で、学生時代にも人付き合いに苦労したものです。

なので、就職してからも人間関係の悩みは尽きないんだろうなという思いで入社したこともあって、あまり気にするほど居場所が制約されることはありませんでした。

そして幼少期に培われた「負けん気」のおかげで真面目に仕事に取り組みました。

2年目にして学年主任を任され、今まで敵視してきていた職員も手のひらを返したように慕ってくれるようになりました。

保護者や後輩からも信頼され、私の人生はここからだと思いました。

仕事も5年目になり、学年主任と新人2人の教育係に加え、今後の園の保育方針に関する私の発言力がかなり高まってきた頃のことです。

立場が上になればなるほど下からの反感を買うようで、私のことをよく思わない人が現れました。

初めは大したことではありませんでした。

私が園長の悪口を言った、私がお預かりしているお子様に手をあげたなど私に関する悪い噂が流れ始めたのです。

園長先生に呼び出され深掘りされた時に初めて知りました。

「あなた、こんなことしてたんだね。」と証拠もない噂にはっきり確信するような口調で問い詰められ、私は声が出ませんでした。

今まで一緒に仕事をしてきて、一生懸命な仕事への姿勢を見てくれていたのに、こんな簡単なことすら信じてもらえないんだと思いました。

実際、園長や副園長を除く職員の中で、私の悪評を信じる人はほとんどいませんでした。

「なんかこんなこと言われてるけど信じてないからね」「今まで通りやって行ってね」と優しい言葉をかけてくれる人もいました。

けれど「私のことを嫌っている人間がいる」「私を陥れようとしている人間は確かにいる」ということは間違い無いんです。

同じクラスの先生か、事務の先生か、はたまた仲良しの同僚か…。

そんなことを思ううちに仕事中に意識が遠くなって、子どもが私のそばで喧嘩をし出したことに気がつかなかったり、新人への指示ができなくなるほどに判断力や決断力が落ちたりしていきました。

仕事中に誰かが私の弱みを握るために監視しているような、なんとも言えない圧迫感とともに、だんだん視野と喉が狭くなっていくのを感じました。

「私が何か発言すれば災いになる…」そう思い始めたら全く声が出なくなりました。

初めは喉風邪かと思っていたのですが、表情や書類のミスなどが重なり、周りからも心配されるようになりました。

「先生最近、鬱っぽくない?」そう言われたときが一番苦しかったです。

昔から両親の教えで「病は気から」思考でなんでも気合で乗り越えられると思っていたし、私自身がいじめも偏見もそう乗り越えてきたため、他人に対してもそんな思考を押し付けてしまっていました。

「精神的に」「ストレスが」という言葉に過剰に反応して、「あいつは弱い」と決めつけるような極端な思い込みがあるのを私は自覚していました。

だからこそ、自分が「鬱」を疑われることに対して自分に失望される恐怖が大きかったです。

自分でも仕事に支障が出てきていることにも気づいていました。

それでもよく言われる「遅刻、欠勤が増える」といったことや「希死念慮(自殺願望)」はありませんでした。

むしろ今日は失敗しないように、と気合を入れて出勤することが多いのです。

それでも職場に着くと、驚くくらいに喉が詰まって声が出なくなり(心因性失声症)、ロッカーやエアコンの裏などあちこちに盗聴器があると確信して、疑えなくなる被害妄想も始まっていました。

1日に何度も不安で涙が止まらなくなる、その度に教室を抜ける、ということを繰り返しても職場での絶対的位置を手に入れた私に文句を言う職員はいませんでした。

私にはその優しさや信頼が余計に辛かったのです。

仕事に差し支え迷惑になると判断して友人に病院に連れられて行ったのですが、精神科という響きが怖くて行くまでに1ヶ月ほどかかりました。自

分が鬱になるなんて…と診断を受けてからは一気に体調は悪くなりました。

それから仕事を休んでいる間の自分の時間が増えた時、初めて私は死にたいと感じました。

自分で死ぬと言うよりは「暗闇の中1人で歩いてるから、誰か私を轢いてくれ」そんな感情に近かったと思います。

現在は投薬治療、カウンセリングを受けていますが、外に働きに出るにはまだ早い段階だそうで、家でPCを使って仕事をしています。

些細なことにすぐ腹を立てたり、なんの前触れもなく泣けてきたり、1人が好きだった私には信じられないほど誰かと繋がっていたかったり。

今では悪夢情動脱力発作、薬による副作用で体調のすぐれない日も多いですが、「今は人生の休憩期間だ」と言う医師の言葉を信じてみようと思いながら治療しています。

ものを書くことが好きなので、自分の体験を形にすることが今は楽しいです。

自分の感情の整理にもなるし、同じ思いを抱えた方にも何かお伝えできたらと思っています。

長くなってしまいましたが、これが私のうつ病の闘病記です。

これからも続くとは思いますが、なんとか生きていられたことに感謝しています。