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うつ病の体験談【うつは自分の心が弱いせいだと思っていました。】

私は以前、うつ病であると診断されました。医師にうつだと言われた時は耳を疑いました。

一番最初に生まれた感情は、「恥ずかしい」でした。なぜならうつ病は心の弱い人間がなるもので、それはとても情けないことだと思っていたからです。

うつ病と診断される少し前から私は、体がだるくて鉛のように重くなったり、ひどい時は仕事にも行けず何も手につかないこともありました。

ホルモンの異常がみられがちだった私は、またホルモン分泌に支障をきたしているからだと思い込みしばらく様子を見ていましたが一向に治まらず、何もできない自分の身体が嫌になり受診することを決めました。

母一人子一人で生まれ育ち、親はもちろん周りには極力頼らず生きてきた私にとってうつ病という診断は想像を絶するほど苦しいものでした。

それまでうつ病と聞くとそんな病気なんて存在しないのに心が弱い人がうつ病という病気のせいにして物事から逃げたり怠けたりするものだと思っていたからです。

受け入れるにはかなりの時間と心の労力を使いました。そんな時古い友人から実は自分はうつ病だったと告白されました。

誰にも言えず苦しんでいたのだと聞き、同じ境遇に驚きましたが、私は自分がうつ病だとはいう事ができませんでした。

今まで気丈に振る舞ってきた人間だとは思えないほど心も体も衰退し、それを人に言えない事がさらにストレスになりました。

以前だったら考えられなかった事ですが、生きるのが辛い、もう死んでしまいたいと思ったことも何度もありました。

その度にうつ病だと診断される前の、自分の輝いていた姿を思い出しさらにきつくなって、一時はもう私は二度と心から笑う事ができないのだと思い込んでいました。

そんな時私の支えになったのはクマのぬいぐるみでした。一人の大人として自分でもおかしいのではないかと思いましたが、返事をくれることのないぬいぐるみに話す事が唯一の救いになっていました。

うつ病になんてなりたくなかった、どうして私がと思いを吐き出していくうちに普段ほとんど泣いたことのなかった私が涙を流すようになりました。

そこで初めて気づいたのです。ああ、私は今とても辛いんだ、この辛さを誰かに話して楽になりたいんだ、と。

そして泣く事ができるようになった後、私は意を決して自分を一番よく知っている友人に実はうつ病なのだと話しました。

彼女は驚きもせずただ黙って話を聞いてくれて、私が話し終わると彼女の家族にうつ病にかかった方がいることを話してくれました。

元々とても明るい人で、その方も自分がうつ病だと頑なに認めなかったそうです。そしてみるみるうちに衰弱してしまったのだそうです。

しかし自分がうつ病であることを認め、気持ちや身体がいうことをきかないのはうつ病だからだと病気を受け入れられるようになってからは回復したのだと聞きました。

その後私もそれを聞いて自分がうつ病であることを認め、うつ病が決して心の弱さと比例するわけではないこと、憂鬱な気持ちに飲み込まれるのは私が弱いからではなくうつ病のせいだからと病気のせいにしました。

そうしていくうちにだんだん、自分はうつ病という辛い病気を患っていても顕著に受け止め頑張る努力をすることのできる人間だと前向きに考えられるようになってきました。

最初のうちは気分の浮き沈みもありましたが、次第に自信を取り戻し、今ではすっかりうつ病だと診断される前の自分に戻る事ができました。

うつ病の恐ろしい所は、認められない事です。病気を受け入れ人に話すことによって自分自身を楽観視できるようになる事がうつ病から回復する最善の治療法だと思います。

もしも人に話すのが苦しいのならまずは私のようにぬいぐるみでも構いません、ペットや草木でも。口に出して自分の辛さを吐き出す事が大切です。

自分を責めずに褒めて愛することの大切さを知りました。