うつ病・抗うつ薬の体験談を500件以上公開しています

うつ病の体験談【うつ病からくる“摂食障害”で】

身長165センチ、体重27キロ。 血圧は上で50、血糖値は30ぎりぎり。

平成30年12月、この状態で救急搬送された私が運び込まれたのは、幸運にも掛かりつけ医のいる総合病院でした。

こちらの病院の精神科には、運び込まれる以前から週1回の割合で予約通院しており、今年ですでに14年目のお付き合い…と、なります。

「自分のような無価値な人間は、もっともっと苦しい思いや辛い思いをしなくてはならない」
「もっともっとクタクタになるまで働かなくては、誰よりも休む時間が少ない状態でなくては申し訳がない」
「何の価値もない無能な自分が、楽しくのうのうと生きていのは許されないことなのだ」

いつからか、このような強迫観念に捕らわれるようになった私は身体が悲鳴を上げている事が当然のことになってしまいました。

結果、救急搬送されるほどに衰弱するまで徹底して自分を追い込んでしまう…という悪循環から抜け出せなくなったのです。

精神面からジワジワと自分を追い込み食欲不振に陥り、入退院を繰り返す。 そして現実に周囲に迷惑をかけてしまった結果に落ち込むという最悪のパターン。

この訳の分からない行動が、うつ病の症状でもあるとは全く知りませんでした。 実を申しますと現在もなお、精神科の閉鎖病棟に入院加療中の身です。

体重は最低時の27キロよりは増えましたが、内科での数々の検査の結果、血液も筋肉も骨そのものも既にボロボロの状態だとのこと。

上記の通り平成30年に救急搬送されてから、この二年ほどにかけて入退院を繰り返しており今回は三度目の入院になります。

私の身長体重から誰もが察することでしょうが、医師の下した病名は重いうつ状態からくる“摂食障害”です。

この、いわゆる“摂食障害”とう病名は、よく“モデルさんのように細く華奢な体型に憧れる若い女性”の行き過ぎたダイエットなどで知られている病名ではないでしょうか。

確かに“モデルさんのように細く華奢な体型に憧れる若い女性の”患者さんも入院しておられました。

彼女はいつも機嫌が良く、やたらと話しかけてきたのですが、その話題は終始、 「誰が一番痩せているか」 「自分がどんなに太っていて許せないか」に尽きました。

彼女の手足には太い赤や青の血管が浮き上がり、まるで血が通った枯れ枝のようでした。 そして髪はところどころ薄く地肌が透け、肌は黄褐色で粉が吹き、頬はこけ、眼球と口元が異様に飛び出していました。

さらに痛々しいことには24時間の点滴を施され、胸からは電極の繋がったホルター心電図をぶら下げている…。

それでも、あくまでも「モデルさんのように細く美しく華奢であろう」と、鍵が掛けられた個室でひたすらパタパタと手を上げ下げし、足踏みをしてカロリー消費に専念するのです…。

私にも心の根底には「モデルさんのように細く美しく華奢でありたい」という願望は確かにあります。「太っているよりも痩せている方が何かと都合が良さそうだ」という時代背景も無視できないかな、とも思います。

ですが私のように“焦りや不安、不特定多数に対する正体の見えない罪悪感の強さ”からも摂食障害に陥る患者もいるのです…。 私のこの二年間で三度目となる今回の入院生活に、モデル体型に憧れる彼女の姿は見えません。

偶然に出会わない限り彼女が元気になったのかどうなのか知ることは叶いません。もしも悲しく空しい思いをすることがあるのなら、知りたいとも思いませんが…。

それにしてもなぜ、いつから私にとって「休んでなんかいられない、食べてなんていられない」といった焦りや不安だけが身体を動かすエネルギーとなってしまったのか。

今でも自分が入院して休んでいること、食事を一日三度いただくことに慣れませんし許せません。

期間的には、一度目は三か月の入院でしたが二度目の入院は半年間。 三度目の現在はまだまだ見通しが立たないまま一ヶ月をようやく過ぎるところです。

この閉鎖病棟のある11階の病室の窓には、冷たいステンレス製の柵が降りています。柵の間からは、健康だった自分が何気なく渡っていた横断歩道が伸びているのが見えます。気力、体力ともに低下している今の私では到底、青信号のうちに渡り切ることはできないでしょう。

「私はなぜ入院しているのか」
「なぜ何度も入退院を繰り返しているのか」
「今後どのように生きることが課題であり、解決の道に近付けるのか」

焦らず、恐れず。 そして生きていく自分を正体の分からない罪悪感から解放することができたなら…。

私はあの横断歩道をゆうゆうと渡り切ることができるのでしょうか。母の待つ自宅へ、友人たちが待つ街へ帰ることができるのでしょうか。まだまだ問いかけは宙に浮かんだままです。