医療系の学校に在学していた時に実習で鬱になりました。
実習内容は、チーム7人でそれぞれ患者を受け持ち、3週間患者の容態に合わせたケアをすることでした。
うつの原因はチームとの連携が上手くできなかったことと、レポートと計画の作成により睡眠時間が3時間だったことです。
今思えば、スキルや判断力、チームワークなど諸々が不足していました。
ましてや、もともと医療系に進学したのは、当時不景気で仕方なくという側面でモチベーションがなかったからだと思っています。
言い訳を許してもらえるなら、患者さんに対して命を預かる責任はありました。
しかし、そのちぐはぐさが更に自分を追い詰めていました。
「自分はだめな人間だ」「きょうも怒られた」「辞めたい」「でもこの道でしか就職できないかも」「こんな気持でやったら患者さんに失礼」
こんな気持でやっていたら、ミスも多くなり更に悪循環に陥りました。
ミスだらけなので、教員の対応もおざなり、チームメイトも遠巻きになりました。
特に教員には何を言っても相手にされないし、他のみんなと同じことをやっているのにやり玉に挙げられて叱られたり、アドバイスではなく「鈍臭い」「ちゃんと考えて動いているのか」「頭大丈夫?」といった罵倒も度々受けました。
もう学校を辞めたい、医療系を目指したくない、でも入学金や授業料を親に出してもらっているし諦めるのもためらわれました。
休日は寝不足を補うためにずっと寝ており、気分転換に出かける体力もありませんでした。
親しい友達と会うこともできず、精神的にも逃げ道のない状況でした。
心配した両親が気分転換に外食に連れて行ってくれましたが、食欲が沸かないので頼んだものには手につけず、周りで楽しそうにしている人たちをぼーっと眺めては、羨ましさ、妬ましさ、悔しさで泣いていたことは今でも覚えています。
そして、結局私は退学を選びました。
退学を申し出た私に教員は「あんたは人間的におかしい」と言い渡しました。とどめを刺された気持ちになりました。
退学後、半年は引きこもり、ずっと寝ていました。
寝ている時以外は、メンタル外来に通って白衣を見ては息苦しくなり、ふと「同年代の友達はきちんと学校行っているし、もう働いている子もいるんだよな」と考えては嘔吐していました。
けれど、周囲の支えもあり、ふと「外に出たい」と思うようになりました。
その後、まずは簡単な買い物からどんどん範囲を広げていって、アルバイトができるようになりました。
その後は、アルバイトで成功体験を積んでいって自己肯定感が人並みになり、今ではきちんと就職できています。
ミスが多い後輩を指導したときは、当時の教員の気持ちを実感することもありました。
それと同時に「仕事でミスが多くても決して人格を否定する言動はしない」と改めて決心しました。
当時の自分は精神的にも未熟だということは自分でも納得しているのですが、現在でも落ち込むと「人間的におかしい」という声が頭に響くことがあります。
悲しい気持ちもありますが、今では怒りの方が強いので「強くなったんだな」と思うようにしています。