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うつ病の体験談【うつになってわかった変わるものの話】

私はうつ病なんて甘えだ、気の持ちようでどうとでもなる。そう心の何処かで思っていました。私自身がうつ病、精神疾患への偏見を持っていて、心の中ではその患者の方々を見下していました。

自分がそのうつ病になって大学進学を諦めた時、私はなんて甘えた理由で進学を諦めたのだろう、学校に行けなくなってしまったのだろうと、ひたすらに自分を責めてしまったのです。

家族が私の病気に理解を示して私を支えても、私自身がうつ病は気の持ちようだと思い込んでいるせいで、家族を突き放してしまいました。

病気のことを隠して社会にでても、周りの人が当たり前にこなせる仕事がこなせず、自分の無能さを呪いました。大学に行った友達にも病気のことを話せず、色んなことに神経をすり減らして、遂には私から友達との距離を広げて一人になってしまいました。

うつ病になってから4年目、二つ目の職場を離れた時のことです。駅でたまたま会った数少ない友人に退職の理由を聞かれ、ポロリと自分の病気のこと、うつ病のことを明かしてしまいました。

私が、自分で認めたら治すことができなくなる、気味悪がられたらどうしようと思っていると、「一人で頑張ってたんだね、気付かなくてごめん。」と言われました。

友人にあまりにもあっさりと受け入れられたことに驚いて、気持ちが悪くないのかと聞いたところ、逆になんで気持ち悪がるの?と、聞き返されました。

その友人と沢山の話をして、受け入れられたことをきっかけに、もう一度家族と話し合いました。自分を見つめ直すために瞑想を始め、思っていたよりも周りの人は私の病気に寛容で、うつ病になったことを含めた私を元気付けようとしてくれていたことに、やっと気付きました。

思っていたよりも私の世界は優しくて、私が辛い、一人だと思っていたのは自分がそう決め付けていたからでした。

周りの優しさを拒絶していたせいで、余計に恐怖を増やしていただけなのだと、四年経ってやっと思えるようになりました。こんな自分を許せない、変わりたい、変わることが出来ないという不安は必要なかったのです。

人は変化するものです。私があの時駅前でポロリとこぼしたことで、人生観が大きく変わりました。

思い返してみると、私はいつも『いつのまにか』変化していました。そのいつのまにかを待たずに、変わらなければと焦って行動したから悪いことが重なったんだ、と今では笑って話せるようになりました。

でも、私が経験した四年間はきっと無駄ではなくて、これから先の人生のどこかで『いつのまにか』何かの役に立ってくれるのではないかな。と、そう思っています。