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うつ病の体験談【決して”気の持ちよう”では治りません】

実際にうつ病を体験された方の体験談を載せています。

うつ病を発病してもう20年以上になってしまって、その間回復と再発を繰り返して今日まで来ました。この病気が辛いのは、周りから理解してもらえない上に、怠け者、や根性が足りない者、とレッテルを貼られてしまうことです。


自分が苦しい中何とかできることをしようとしても、体調が悪いといつものように仕事をこなすことができない場合がしばしばありました。そんな時に少し処理が遅かったり、ミスがあると、容赦なく叱責を受けてしまうと、ただでさえ気分が落ち込んでいるところに輪を掛けたショックを受けます。職場の上司に何度も病状のことを理解してもらおうとしても、「それは君の気の持ちようが悪いだけなんじゃないか?どこも痛くもないなら普通にできて当たり前だよ。」と逆に叱責されるばかりでした。

そこで何とか体調のいいときを見計らって、「最近は体調がいいので新しい仕事をやらせて下さい。」と言っても、「君は前科(うつ病によるミスの連発)があるからなあ。辞めてくれた方がこっちは助かるんだけど。」と余計に突き放されました。

この病気は体調や気持ちの浮き沈みがあるので、その波に合わせて仕事を調節できればそれなりに働くことが可能なのですが、24時間年中問わず働けない者は職場にとっては単なるお荷物でしかないようで、それを理解してもらうことに疲弊してきました。

そこで産業医にも何度も相談したのですが、「そもそも君の薬の量は少ないね。ガバガバ抗うつ薬を飲んでさっさと完治させるか、このまま辞めるかハッキリさせてくれないと私の立場がないんだよ。」と余計に傷つくことを言われました。

私は薬に過剰反応があり、副作用が出やすかったり、同じ薬でも体調によってかえって症状を悪化させてしむこともしばしばだったので、そのことは産業医に最初に話していたのですが、まったく聞く耳を持たれませんでした。
そんなことが繰り返されたので、結局退職しましたが、職場全体の空気が、”うつ病患者は怠け者”、と決めつけてしまうのではあのまま勤めることは難しかったと思っています。

退職後も病気について知られている人からは、「どう?やっと気合いが入るようになったか?」と当たり前のように言われます。うつ病の患者は自分で可能な限り治そうと努力していますし、決して怠けていようと思ってはいません。気の持ちよう、や根性で治るものなら20年以上こんなに辛い生活を続けるはずはありません。そのことを少しでも多くの人にわかってほしいのです。