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うつ病の体験談【油断は禁物】

夫がうつ病を発症したのは娘が小学校へ入学した年でした。 「胃が重い」「胸焼けがする」と言って何度も内科を受診したのですが、一向に体調は良くならず、もしかすると他に原因があるのではないかと思い、心療内科の受診を勧めました。

夫は気乗りしない様子でしたが、何度内科を受診しても体調が回復しないため心療内科を受診し、軽度のうつ病と診断されました。 うつ病と診断されて少なからずショックを感じているようでしたが、その反面、体調不良の原因が判明したことで安心した面もあったようです。

その後医師の指示に従い2年ほど治療を続け、夫の体調も落ち着いた頃、突然の変化が訪れました。 夫の主治医が転勤することになったのです。

もちろん転勤に伴う引き継ぎは行われたのですが、初めて担当してくれた医師への信頼が大きかったためか、後任の医師と上手くコミュニケーションがとれず、夫は通院を嫌がるようになりました。

体調も落ち着き「通院しなくても大丈夫だ」そんな思いが夫にはあったのかもしれません。
正直なところ、体調が落ち着いているとは言え、自己判断で通院を止めてしまって良いとは思えませんでした。

しかし、無理矢理病院に連れて行くのも夫のストレスになるような気がして、私もあまり強く通院を勧めることはしませんでした。

通院を止めてから2年ほどは比較的穏やかな生活が続いていたと思います。 ごく普通の生活を、ごく普通に送ることができている夫の姿に私も安心していました。 しかし、その後職場で人事異動があり、それまでと違う仕事がスタートしてから暫くすると「胃が重い」「胸焼けがする」と言うようになったのです。

2度目の時は本人にも予感というか、自覚があったようで、すぐに心療内科を受診しました。 結果は「うつ病の再発」です。 1度目の発症の際は、仕事を休まずに治療をしたのですが、2度目の時は3ヶ月の長期休職となりました。

それからの3ヶ月は本当に辛い毎日でした。 その後、体調が落ち着き職場に復帰しましたが、ちょっとした事で躓くようになり、仕事を休みがちになって続けることが難しくなりました。

うつ病の再発で結局長年勤めた会社を退職することになり、その後は「新しい仕事について1年くらいすると体調が悪くなり退社(解雇)」を繰り返し、現在はただただ家でゴロゴロと過ごしています。

うつ病を発症してから20年近く経ちますが、発症を繰り返す毎に「病気を治したい」という夫自身の思いが薄れていっているようで、投げやりになっているように感じます。

仕事もしないで他人を妬んだり、中傷したり……そんな夫の姿を目の当たりにして「どんなに体調が落ち着いていても通院は続けるべきだったのではないか」と今さらながらに後悔しています。