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うつ病の体験談【家族の立場から、父親がうつ病になって】

実際にうつ病を体験された方の体験談を載せています。

両親ともに打つと知ったのは、母親の鬱病の発覚がきっかけでした。父親の鬱に関しては、直接的にではなく間接的にもっと以前から母から聞いていました。そのころはまだ鬱病と聞いても、へー気分が落ち込見やすいんだという印象しか抱いていませんでした。それも父親の表情や様子におかしいところが見当たらないからでした。


しかし、父親においては普段の性格的に、神経質であり何かと気にしやすい性格であることは家族のものは感じていたはずです。娘の私も、父親の口から「あれが嫌い、弁当に入れるな、あの音で眠れない」というように聞いていましたから、神経質な人だという認識しかなかったんです。でも、徐々に眠れないので睡眠薬を服用していると耳に入ってきたりして、相当しんどいんだという状況は他人事のように耳にしていました。

父親は近所の人とも話したり、主体的にコミュニケーションを図ろうとする方で、部屋にこもってしまうようなことは見受けられませんでした。それどころか、誰かに会って世間ばなしでもしないと、しんどいような口ぶりでしたし、近所のものや親戚に会っても、楽しそうにしている様子でした。病院には頻繁に通っていたようです。

ただ、母から聞いた話では「父親という存在はただ子供が成長したら、忘れられて死んでいくのかな」などと医師に口にしたそうで、鬱の原因が子供の成長や親孝行の少なさにあるようにも感じてしまいました。しかし、こればかりは父親の望んでいるものがどんな事か、わからないので叶えてあげることはできません。

鬱は時に自分の問題でもあると思いました。こういう生き方を燃え尽き症候群と表現できるのかもしれませんが、ある時期まで必死にモチベーションを維持してその後に燃え尽きてしまうみたいです。

父親と娘は性差があるために、父のしんどさを理解してあげることができません。あまり個人に深入りしても共倒れの危険がありますから、父親の鬱はとてもデリケート、母親も心配ですがさらに理解しにくい男性の鬱でした。

子供としてできることは、普通に家事をすることや普通に問題なく生活すること、親に迷惑をかけないようにすることくらいでした。加えて男性の場合、普段から感情を表に表現しにくい性質で、鬱だったとわかっても、黙っていると察しがつきにくいということも言えます。

親だから子供の前では病気を隠している姿勢が普通のことなので、家族も気がつきにくいということがあります。

 

※運営者のコメント

「父親という存在はただ子供が成長したら、忘れられて死んでいくのかな」

この言葉は印象に残っています。「そんなことはないよ!」と伝えたい一方、どこかそれが自然なことと思う所もあります。なかなか難しいものです。