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うつ病の体験談【私がうつになってから社会復帰するまで】

私がうつ病になったのは、23歳の時でした。学生のころと社会人生活のギャップに苦しみながらも、仕事を覚えようと毎日奮闘していました。

ですが、しばらくすると直属の上司にあたる男性から、毎日のように私の個人携帯に電話やメールがあり、私の仕事ぶりに対する説教や自身の愚痴などが長い時で3時間ほど付き合わされるようになりました。

また、職場でも個室で長い間説教されたり、無理やり二人きりでの食事に誘われたり、その上司とお揃いのグッズをプレゼントされたりなど、セクハラとパワハラが続きました。

「なるべく気にしないようにしよう」と、はじめの頃は明るく振る舞っていたのですが、慣れない環境と上司の圧に疲弊しきってしまっていた私は次第に仕事中にいつの間にか眠ってしまったり、口頭で指示された際に全く内容が頭に入ってこなかったりなど、仕事に支障が出てくるようになりました。

ですが、その時はまだまさか自分がうつ病になるとは夢にも思っていなかったので、全て仕事ができない自分が悪い、という風に考えるだけで、そのまま3か月ほど続きました。

ある朝、いつものように起きて仕事へ行くのが突然嫌になってしまいました。心では「早く起きて支度しないと遅刻してしまう」と思うのですが、身体が全く動きません。それと同時に涙があふれ、止まらなくなってしまったのです。

私は状況が理解できず、混乱していました。1時間ほど泣いたでしょうか。やっとの思いで職場に連絡をし、その日は休むことにしました。それから2か月ほど、少し出勤しては休んで、を繰り返し、最終的に退職しました。入社してからわずか半年のことでした。

退職後は実家で心療内科に通いながら、何もせずに好きなことをして過ごしました。

その時は「あの嫌な上司ともう会わなくてもよい」という安堵の気持ちとともに「働かざる者食うべからず」という言葉がちらつき、「ちゃんとしていない」自分が嫌で、家族ともあまり顔を合わせたくない気持ちでした。

当時の生活パターンはドラマや漫画にあるような、典型的なひきこもりの生活です。夜中までゲームやテレビを観て過ごし、明け方に寝て、昼過ぎに起きる…。

「今頃同級生は頑張って仕事をしているのに、私は何をやっているんだろう。」後ろめたい気持ちと、何も考えたくない気持ちが混ざり、現実逃避していました。

しばらくして、突如運動不足を感じたので、出歩く人が少ない夜に、兄と一緒に近所の公園でジョギングを始めました。

初めは公園1周の500mほどしか走れませんでしたが、次第に2周、3周、と走る距離が伸びてゆき、しばらく続けると、公園を出て町内を10kmほど走れるようにまでなりました。

運動して、お腹が空いて、ぐっすり眠れる。そして、距離やタイムが上がっていくことで、達成感や喜びを感じられるようになりました。それからは一気に回復していき、うつ病になってから半年後にはアルバイトを始め、1年後には一人暮らしをして仕事をできるまでになりました。

それからは休職することなく仕事は続けられています。うつ病で苦しんでいた時になんとなくの気持ちで始めたジョギングが、ずっと心の支えとなってくれたのです。

復帰後も、何度か気持ちが激しく落ち込む日が何度もありましたが、走ることで少し楽になれたのです。今ではフルマラソンで4時間を切って走れるまでになりました。

タイム向上を目指して日々頑張っています。うつ病を経験してから10年ほど経ちますが、その間に多くの経験をしてきたので、今では精神的にかなり強くなれたと感じています。

また、マラソンという自分の中の軸となるものに出会えたことは本当にありがたいことだと思っています。これからも自己実現と心身の健康のために続けていきたいです。