うつ病・抗うつ薬の体験談を500件以上公開しています

うつ病の体験談【結婚式前から主人の言動に異変が…完治まで壮絶体験、主人を支えた10年。】

夫婦共に20代で結婚しましたが、私たちが結婚式をあげるちょうど1週間ほど前から、主人が音に敏感になり、耳鳴りがするなどの普段と違う様子が出ていました。

主人の元々の性格は、自己主張が激しく曲がったことを嫌う、少々頑固な性格ではありました。当時、就職難な時期に大手企業の商品開発エンジニアとして転職してきましたが、配属された上司と折り合いがつかず、愚痴をこぼすことが多くなっていました。


そんな中、結婚が決まり準備等で慌ただしくしておりました。主に結婚式の準備は私が行っていましたが、彼は結婚式の1週間前くらいから明らかに、様子が変わってきました。

あんなに勝気だった彼に元気がありませんでした。
「何もやる気が起こらない。」「上司に言われた一言が頭から離れない。」など今まで彼から聞いたことないようなことを言い出したのです。

結婚式当日も、普段と違う彼を気にしながらも何とか、式は終えました。式を終えた私たちはすぐに、心療内科で診察を受けることにしました。診断結果は、うつ病でした。

人生で一番楽しいはずの新婚生活は、消えていきました。心療内科からは何種類かの抗うつ剤、睡眠導入剤の処方薬をもらいました。

ここからが、壮絶な新婚生活のはじまりでした。

夜の薬を飲むと、朝は起きられない日々が毎日のように続きました。だいたい起きる時間は、夕方の4時以降で、どんなに起きるように言っても、身体が言うことを聞かないと言い、起きることはありませんでした。もちろん、そんな状態では仕事も出来ずに、休職することになりました。

薬を飲んでも、全く良くならず、それどころか彼は他人に対して攻撃的になり、家では大声でわめき散らしたり、大暴れしたりするようになりました。

ある夜、いつものように彼の大声が始まっていましたが、何とか私が眠りに落ちた時、彼は家の2階の窓から飛び降りました。幸い、そんなに高くない2階だったで軽傷で済みました。
そんな彼を見ていられず何度もこの結婚生活をやめようかと思い詰めていました。

今になれば、なぜ結婚生活をやめなかったのかわからないですが、その時彼を全力で支えようと決心しました。私は仕事を辞めることを決断しました。そして彼もまた落ち着いた暮らしがしたいと言い、転職を決めたのです。
その転職が彼の病気にどう影響するのか、不安で仕方ありませんでしたが、彼を信じ、ついていきました。

新しい職場でも、何かあるとストレスを感じ休みがちで、何度か休職は繰り返しました。しかし、環境の変化が彼をどんどん変えていき、薬の量も減り、今では抗うつ剤から卒業できたのです。あの時新婚生活で経験できなかった、落ち着いた、幸せな日々を過ごしています。

彼の思いきった行動が、彼自身を変えていき今があると思っています。一番つらい時でも、諦めなかった彼の勇気ある行動を誇らしく思っています。

今振り返ると、あのときから約10年の歳月が流れました。
うつ病は、環境を変えない方がいいということをよく聞きましたが、彼にはそれが当てはまりませんでした。うつ病に悩んでいる方や、ご家族にそういった方がいる方、とても毎日大変な思いをされていると思いますが、いつかは完治すると信じ、前を向いて生きていってほしいと思います。