私の生みの母と父は、私が幼稚園児の時に離婚し、私が小学生の時に、父は義母と再婚しました。お互い子持ち同士の再婚で、お見合い結婚でしたので、価値観の違いからいつも義母と父は、口喧嘩ばかりしていました。
それから14年後、私が21歳の時、義母の様子がおかしくなりました。イライラしていると思いきや、急に気が沈んだり、頭が痛くなったり、買い物に出かけたきり帰って来なくなったり、ベランダから突然飛び降りようとしたり、八つ当たりなのか私に暴言を吐いたりするようになったりしました。
ある時は、義母が台所にある包丁で、自分で自分を刺そうとしていたところを、父が必死で止めたりしていました。そして、コタツに入ったまま呼吸困難に陥り、命の危険があると感じた父が、救急車を呼んだのです。
義母は、救急車で病院まで運ばれ、約1ヶ月間入院していました。うつ病と診断され、退院後もずっと「精神安定剤」を飲んでいました。でも、不思議なことに、義母が症状がでるのは決まって、父が家に居る時だけでした。
逆に、父が家にいない時は、お風呂も普通に入れるし、着替えもできるし、もちろん掃除や洗濯物や料理も普通にでき、時には自転車で買い物に出かけたりもして、普通の日常と全く変わらない生活を送ることができていました。
本当に「うつ病」だったのかなぁ?と疑問に思うほどです。義母は再婚してからこれまで、ずっと長いこと専業主婦をしてきていましたので、父との喧嘩はかなりストレスだったと思います。
だからといって、普段からストレス発散する場所も義母は見つけなかったため、このような結果になってしまったと私は感じています。ストレスがたまりすぎて、ついに、うつ病を発症したのだと思いました。
義母が「あんた(父)居なくなる方が、この病気治ると思う」とずっと言っていました。しかし、精神安定剤と、父の助言のおかげで、だいぶ落ち着きを取り戻し、義母も徐々に克服していきました。
もし、うつ病が治ったら父と義母は再び離婚するのではないかと、内心とてもヒヤヒヤしていました。それから父と義母は、喧嘩はするものの、義母がうつ病になることはなくなりました。