うつ病・抗うつ薬の体験談を500件以上公開しています

うつ病の体験談【職場での軋轢に耐えきれず、鬱になりました】

数年前、私自身が鬱病になったときの話です。

職場で配属替えになり、全く未知の業務へと半ば放り出されるように就かされたことが、精神を病む最初のきっかけでした。

私のいた職場では扱っている業務内容が多く、部署によっては仕事内容が全然違います。私が配属になった部署も、これまでいたところの知識が全く役に立たないところでした。

しかし、異動に際しての業務マニュアルはなく、全て手探りで覚えていかなければならない状況。

新しく上司になった人はその業務一筋でやってきた人間であり、知識の無い私に「こんなことも分からないのか」と強く当たってきました。

それでも何とかこらえながらやっていたところに、元の部署の仕事も掛け持ちにしてくれないかと言われました。

退職者が出たため一時的に手伝いに来て欲しいだけだと説明されました。

しかし、数ヶ月経っても二つの部署の掛け持ちが終わる気配はありませんでした。

前の部署からは経験者だということで多くの仕事を押しつけられ、今の部署からは作業速度が遅くなっていることを叱られる日々。

夜遅くに家に帰っても何もする気が起きず、ただぼんやりとしたまま時間を消費していました。

そのうち、眠ったら朝が来てしまう、また会社に行かなければならなくなる、と寝ることを身体が拒否するようになり、慢性的な睡眠不足になりました。

特に月曜日を迎える前はひどく、何度もベッドの上に座ったまま朝を迎えました。結果頭が働かず、職場での作業が緩慢になり、罵声を浴びることだけが増えていきました。

このままではダメになる。本能的にそう思い、心療内科を受診したところ、軽度の鬱だと診断されました。

医師から説明を聞く最中、ああ、私のこれは病気なんだ、自分がただ単純に変だというわけではなかったんだ、と少し安心したのを覚えています。

病状がまだ軽かったことと、休職することで逆に悪化してしまう人が一定数いるということを踏まえて、投薬しながら職場には通い続けることになりました。

会社にも自分の病気のことを説明し、体調が厳しいときは半休などを活用しながら職務に就くように、と言われました。

当然それらのことに関して、上司や同僚にも説明はありました。

ですが皆が忙しく働いている職場において、私の症状は甘えであると取られたようでした。

休みを取るときには直属の上司に連絡する必要があったのですが、そのたびに舌打ちをされたり、「ずる休みして家にいられるやつはいいなあ」等と言われたりしました。

そのうちに職場でも孤立してしまい、周囲からは遠巻きにひそひそと話しをされるようになりました。

その頃にはお客様の前は愚か、人のいるところに行くこと自体が恐怖になっていました。

周囲から何を言われているか分からず、ただただ自分の状態は甘えだと叱られていく中で、自分というものがどんどん壊れていくような感覚がありました。

こんな毎日を過ごすならいっそ死にたい、死んでしまえば全てから解放されて楽になる。毎晩のように、そんなことを考えていました。

そして、投薬を始めてから半年ほど経ったある日のこと。

急に、起き上がることができなくなりました。目が覚めているのに、会社に行かなければならないと自覚しているのに、ぴくりとも動くことができませんでした。

行かなきゃいけないんだ、行くんだ、と自分を叱咤して何とか起き上がりトイレに行ったものの、そこで吐いてしまい、今度こそ固まってしまいました。

ああ、もうダメだ、限界なんだ、と、その時やっと悟りました。

心療内科に行き、医師と相談して、休職することを決めました。

上司や同僚、ひいては会社そのものに近寄りたくなくて、手続きは全て郵送で済ませました。

それからは真っ暗な思考の中、でぐるぐると形にならないことばかりを考える日々が続きました。家で自由に動き回れるようになった頃には、一ヶ月は経っていたと思います。

今では病状はかなり改善しています。

夜に眠ることもできるようになりました。かつてのような追い詰められた精神状態でもありません。

しかし、もう退職という形になったものの、会社のことを思うと胸が重くなります。未だにあの頃のことを思い出す度に、死にたい、という言葉が頭をよぎります。

心の傷を自覚したら、我慢せずに病院に行かなければならないのだと、今ならば分かります。

軽いうちに治せなかった結果、数年経った今でも古傷に苦しめられています。

この傷をこれからも抱えたまま、生きていかなければなりません。上手い付き合い方を探しながら、今日も薬を飲んでいます。