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うつ病の体験談【自分でも認めたくなかったうつ】

まさか自分がうつになるとは思いませんでした。

小さい頃から何事もそつなくこなしてきたし、人並みに仕事をして借金もなく、きちんと生活してきたと思います。

きっかけは「アットホームな環境です」という会社に就職し、勤め始めたことでした。

社長と事務員である自分の二人きりという環境で、雑務と事務作業、営業事務までも全て一人でこなさなくてはならない状況となりました。

仕事内容的に締切時間というものがあり、何時までに仕上げなきゃと時間に追われていました。

毎日、残業残業で、身も心も休まる暇がありませんでした。頭がボーっとして、気力がなく、なんかおかしいなぁと思っていました。

社長や会社へのストレスがたまり、心が疲れているのだろうと思いました。

さっそくメンタルカウンセリングに申し込み、通っていました。この頃には夜は2~3時間しか眠れなくなっていました。

もしかしてうつ?という考えもよぎりましたが、いやいや自分はまだ会社に通えているし、物も食べれる。うつだったらもっと死にたいとか考える位症状があるのだろう。

自分はただのストレスと怠けだろうと思っていました。

そんなある日、お昼ご飯を買いに、ショッピングモールの1階にある食品コーナーに入りました。

買い物を済ませ、さあ帰ろうと思ったら乗ってきた自転車が見つかりませんでした。

出口を間違えたなと思い、どこから入ったっけ?と思いだそうとしても思い出せません。

東西南北の四方に出入り口があったので、全て回ってみてようやく自転車を見つけ会社に戻りました。これはさすがにおかしいと思い、メンタルクリニックに電話してみました。

そこで症状チェックの用紙に記入し、先生と会った時にうつですと告げられました。頭がおかしいし、全く眠れない日々でしたのでちょっとホッとしました。

この頃には、すべての考える力が低下していて、はいとかいいえとかで応えられるような簡単な内容のものまですぐに答えられなくなっていました。

聞かれてからしばらく考えてやっと答えられました。仕事を終え、夕食は何を食べようかとスーパーに行くのですが、買うものが決められなくて、カゴを持ったまま2時間も店内をグルグルしていました。

クリニックで薬をもらい飲み始めました。効くまで2週間はかかると言われましたがその通りで、効果を感じるまでの2週間が本当に大変でした。

会社に退職をつげ、家でひきこもる生活になりました。自分が情けなくて友人とも連絡を取りませんでした。遊びたい気力もなく、食べたい気力もなく、性欲もなく、家で塗り絵をする毎日でした。

少しずつ回復しましたが、ひきこもりのうつ生活は1年ほど続きました。