私がうつ病を発症した20年くらい前、チャットが出始めた時代でした。別冊宝島に載っていたうつ病関連のチャットがあったので、私もチャットに入ってみました。
私がイメージしていたのは、うつ病の人たちだから暗いイメージで、「引きこもり」が多い、というイメージでした。
チャットの前にずっと座っていて、流れるチャットを眺めているようなイメージでした。
私はその中では異色で、朝から夕まで働いていましたし、うつ病ではありましたが引きこもっているわけではありませんでした。
そこにいる人たちは、「外に出られない」「布団から出られない」「人が怖い」など、いろいろ言っていました。 ある日、オフラインで会いましょうという計画が立てられました。
私は、ある意味興味本位で行ってみようと思いました。そして、皆行くと言っているけれど、この人たちは外に出られないと言っていて本当にオフ会に出られるのだろうか、と思いました。
当日は、新宿に集まるよう指定されていました。ただでさえ新宿は人が多く、道にも迷いやすいところなのに、よくこんなところを指定してくるなと思いました。
そして、本当にこんなところに引きこもりの人たちが来られるのだろうか、と疑いながら待ち合わせ場所に行きました。
ほどなくして、何人か集まってきました。結局、ドタキャンした人もいますが、20人近く集まりました。引きこもりなのにすごいな、本当に外に出られないのかな?と不思議に思いましたが、皆さんに聞いてみると、何日か前から体調や心の調子を調整し、薬をきちんと飲み、頓服もMAXまで飲み、やっと出てきたとのことでした。
そこまで努力しないと外に出られないのか…と思うと、すごく大変だな、と感じました。 実際に皆で飲み始めると、ものすごくハイテンションになっている人ばかりだったので、私の方がびっくりしてしまいました。
むしろ私の方が冷めて見ている感じでした。でもせっかくなので、うつ病と言われている他の人たちがどんな風に行動するのか、観察しようと思いました。
私は特にそんな気負いもなくオフ会に来たので、ハイテンションにはとてもなれませんでした。
しかし、次の日のチャットでは、皆ぐったりしていました。昨日の反動がきて、うつがひどいとも言っていました。そこまでしてオフ会に来るのか…とも思いましたが、ある意味彼らの涙ぐましい努力なのかもしれないと思い、つくづくうつ病って大変な病なのだなぁと感じました。