うつ病は、病院で適切な治療と薬の服用を続ければ治ると言われていますが、それが遺伝や性格によるものだと、完治が難しい病気です。
これは、今なおうつ病と戦っている私達40代夫婦の体験談です。
13年前に結婚し、1週間経ったどしゃぶりの雨の日でした。平日の昼間に突然仕事中の夫から、交通事故を起こしてしまったので警察署に来ていると電話がありました。
どうやら、夫の車に別の車がぶつかったようなのです。追突した衝撃で、夫の車は弾かれ、夫は激しく身体を叩きつけられました。
幸いけがはありませんでしたが、その時のショックがきっかけで、夫の様子がおかしくなり始めました。
次の日、私が会社から帰ると、部屋が真っ暗でした。出勤したはずの夫が、カーテンを閉めた真っ暗な部屋で、布団をかぶって寝ていました。
仕事はどうするか聞くと、体調が悪いから早退したとのことでした。なんだか様子がおかしいと思いましたが、夕食の時間には起き、お風呂に入って寝るところまでは、とくに疑問を感じませんでした。
次の朝、出勤する時間になっても、夫が起き上がりません。夜に一睡もできず、車を運転して会社に行くのが辛いから休みたいと言いました。
仕方なく次の日も休ませましたが、昼間はカーテンを閉めた部屋でずっと布団に入ったまま、夜になると起き上がる生活になりました。
そんな毎日が続き、もう1週間も夜眠れないと言うのです。ネットで症状を調べると、うつ病の可能性があることがわかりました。
まずは病院に連れて行かないと、長期間眠れない状態では夫が危ないと思いました。自分の会社に電話し、上司に病院を探して受診させるので会社を休むことを伝えました。
近所のうつ病を診てもらえる心療内科などを調べ、片っ端から電話しましたが、すぐに診てくれるところがありません。
どこも、予約をして2週間後に診察できるところがほとんどでした。
それでも電話し続け、やっと診てくれる病院が見つかり、嫌がる夫を無理やり病院に連れていきました。
医師の診察を受けたところ、やっぱりうつ病と診断され、精神安定剤と睡眠薬を処方されました。
薬を飲ませると、夫の精神状態が安定して、睡眠薬のおかげで夜眠れるようになりました。
でも次の日の朝、出勤の時間になっても夫が起きません。睡眠薬の影響なのか眠り続け、起こしても起きず、会社に行けない日が続きました。
昼間寝て、夜起きる昼夜逆転生活もずっと続いています。
薬の効果はあるけれども、そもそもどうして眠れないのか、何か悩んでいることはないかを夫に聞いてみました。
営業職で、会社から無理な指示を受け、人間関係にも悩んでいるということでした。
もともと神経質な性格で、義母もうつ病であることから、遺伝と性格によるものだと推測しました。
何もかも不安で、当たり前の日常生活が営めなくなるようです。家族として、どう接したら良いか悩みました。
そのうち夫は仕事を長く休むうちに、会社から解雇されてしまったのです。
私が夫を養っていく覚悟を決め、「頑張れ」と言わない、仕事ができない夫を責めないことにしました。
精神安定剤と薬を調べていくうちに、身体にとって強いもので、長く服用することで薬漬けになってしまうと考えました。
夫も強い薬を続けることを恐れたため、病院と薬の服用をやめてしまいました。
カウンセリングも受けてみましたが、家で悩んでいることをカウンセラーに話さないため、高価なお金を払う意味がなく、病院へ行かなくなりました。
現在も、夫は仕事を転々としていますし、昼夜逆転生活も変わりません。
うつ病に良い食材などで、食事から変えようと思いましたが、本人の意思がなければ、改善は難しいと感じました。
性格によるうつ病は、完治せずに長く付き合っていかなければならないという記事を目にします。
一時期は、私も収入のない夫を抱えてどう接したら良いかわかりませんでした。毎日泣いて、私もうつ病になり、夫婦共倒れになりそうになりました。
でも、このままではいけないと奮い立ち、離婚せずに夫を気長に支えていこうと思うようになりました。
不眠になったときにいけないのは、日の光に当たらないことです。日中も真っ暗な部屋にいることで体内時計が狂い、昼夜逆転生活になるとわかりました。
もう1つは1日中寝ていて動かないので、身体が疲れず、眠れないということです。
夜遅くまでTVやスマホを見ていることもあり、眠れない原因をいくつも行っていました。
原因はわかっているので、家の中の環境を変えていくことから始めようと思います。
こうした方がいいよと勧めても、本人のやる気がないと改善には向かいません。朝、日の光を浴び、適度な運動を行い、3食決まった時間に食べて寝ると、当たり前の生活リズムは難しいですが、少しずつできることをやっていきたいです。
なるべく夫の言ったことを否定せず、悩みや愚痴、相談しやすい雰囲気を作るようにしています。
1番大事なことは、私自身が夫のメンタルに流されず、割切って明るく前向きに生きることです。
そのための息抜きもするようにしています。今も戦っている毎日ですが、暗くならずに状況を受け止めて生きています。