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うつ病の体験談【スマホに例えると何時間充電しても「30%」】

以前より不眠のため心療内科に通院していましたが、職場の異動と家庭内の環境変化で昨年10月、PTSD適応障害でうつの診断を受けました。

うつに陥ってしまうと、それまで当たり前にできていた事が「無理」になります。できないことはないんですが「やりたくない」と脳が拒否してしまう状態です。

うつの治療が始まると、症状に合わせた対処療法が始まりました。要は「どの薬が自分の症状にマッチングするのか」の期間になります。一般的にうつの薬は服用を始めてから1~2週間経たないと効果が見え始めません。半面、副作用は飲んですぐに顕在化するのが特徴です。服用を始めて副作用だけを切り取って服薬を止めてしまう人もいるほどです。

副作用を端的に表すと「頭の中が大戦争」になります。見た目はなんともありませんが、本人にとっては得体の知れない何かが頭の中で暴れているため、他の何にも構っている余裕がなくなります。

私はそのため1か月、「食べる」「寝る」以外のことができませんでした。そして「できませんでした」というより、正直「憶えていない」のです。当時の状況を振り返ってみても「とにかく何もかもが酷かった」としか言えません。不眠・嘔吐は日常的にありました(記憶はおぼろげですが)。思い切って外に出てもすぐ逃げるように布団に戻ってしまう。

以前から「うつ」は「心の病気」と聞いていたので、体験するまでここまで酷いものだとは思ってもみませんでした。朝は目が覚めても体を起こすことすら体が拒否します、本当に「甘え」などではありませんでした。心のエネルギーが切れてしまうのです。

スマホに例えてみると、どんなに、何時間充電しても「30%」までしか充電できないのと同じです。そのまま天井だけを見つめ、それでも頭の中は大戦争が起きているため、体感時間はとてつもなく短く、容赦なく月日が流れていきます。

そして、ようやく薬との付き合い方に慣れ始めた頃から、「薬が切れた」感覚を自覚し始めました。私の場合は朝夕の服薬でしたが、「僅かに充電できた30%」が夕方突然電源落ちしたのです。倒れました、薬を飲んで落ち着くまで2時間くらいはかかったと思います、その間何をしていたかは覚えていないのです。

これはいつ治るのかも分かりません、ここまで厄介なものだとは想像もしていませんでした。世間からは異常な目で見られるという恐怖感(妄想)、何を考えて行動しているか説明もできない自分自身、未だ私の頭の中ではいつもどこかで、戦いが続いています。