20代の頃、うつの症状がかなり強く出た時の話です。
うつ病は色々な事で悩まされるのですが、特に強く悩んだ事はとにかくやる気が出ない事です。
当時、プログラマーとしてはじめて社会に出て会社で働きました。
プログラマーは覚えなければいけない事が多く、日々勉強しなければいけません。
しかし、その勉強をするやる気がまったく起こらないのです。
もちろん、勉強等いろいろな事に関して普通の人でもやる気が起きない事は良くある事です。
ただ私の場合、学生時代はプログラミングが好きだったので、その時は好んで勉強していました。
しかし、うつ症状が出た時から好んでやっていた事が途端にやりたくなくなるのです。
毎週とても楽しみにしていたドラマがとてもつまらなく感じるのです。
大好きだった食べ物を食べても、砂を食べているような感覚で、感覚が激変するのはとても感じました。
ただ、うつ病の状態でもやる気がでた瞬間もあります。
それは薬を一度まったく飲まなくなってからの数日間です。
けれどこれは薬を飲まない方が良いという話ではありません。病院の薬が手元からなくなり、薬が飲めなくなった時に一時的ですがやる気が出た事を覚えてます。
仕事のための勉強もはかどりました。薬なんか飲まない方が良いとその時は思いました。
けれど、それも数日しか続きませんでした。薬を飲まない状態が1週間となると、離脱症状が現れ苦しくなる一方でした。
横になって休んでいるのに身体が不快感に襲われます。
痛いとか、気持ち悪いとかの類ではありません。
あの感覚を言葉にするのは難しいのですが、とにかく耐え難い苦痛です。
今思い返すと、薬をやめた時の一時的なやる気は薬の代りに体が無理をしたのではないかと思います。
こういう経験から、薬を急に飲むのをやめるのは良くないと思います。
うつ病は他人から理解を得る事が難しいです。
でもこれはやむを得ない所もあると思います。やる気が出ない状態を怠けと捉えられ、怒られる事もあります。
私としては、できるならいくらでも頑張りたい、けど自分にいくらムチを打ってもちっとも動かない状態で、どうしたら理解が得られるのか悩んだ時もあります。
他の病気と違って、病気であるという客観的なデータを示せないですし、自分の見た目にも表れないと思います。
うつ病に限らず精神疾患全般に言える事ですが、症状の辛さを他の人に伝える術がほとんどないと思います。
だから、症状を患っている人と健常者の気持ちがすれ違ってしまう。
こういう病気になった時、過去に病気を経験した人で今は健康な人が近くにいてくれるのが一番良いかなと思います。
そしてできるなら、病気を経験した事がない人でもその辛さを理解してくれる人が増えていけばいいなと考えています。