「類は友を呼ぶ」とはよく言ったものですが、「うつ友」の存在がまた、この言葉に信憑性を与えているような気がしています。
「うつ」で仕事を休んでいるひとのイメージって、どんな感じですか? 「弱い」「情けない」「責任感がない」「怠け者」「暗い」「引きこもり」「なんかやばい」等々、ですか?
「うつで仕事を休んでしまうようなやつと同類にはなりたくない」ですか?
「うつで仕事を休んでしまうと、周囲からどんな目で見られるかこわい」ですか?
あなたの中にある「うつ」へのイメージや、「うつのひと」へのイメージがネガティブであればあるほど、「そうなっちゃいけない」「そうなりたくない」と思ってしまうのかもしれません。
そうして、そう思ったひとは、「あのひとたちと同類にならないよう」に頑張ってしまうのかもしれません。結果、自分ではどうしようもなくなるまで追い詰められて、最悪の場合……ということになるのかもしれません。
わたし自身、「うつ状態」と診断を受けて半年間の休職期間をいただきました。 そうして、「うつ状態」から抜け出した今、やっぱり、休職してよかったと思います。
「うつ」のイメージがネガティブで、同類になりたくなくて頑張っちゃうひとは、今いる建物から出火しているのに逃げ出さずに踏ん張っているのと同じだと思います。
いずれ火に巻かれてしまうことは明々白々なのに、とどまって頑張ってしまう。逃げるということがネガティブなことだと思ってしまうからです。
そこで、今回の体験談は、わたしが「うつ友」と一緒に旅行に行った話をしましょう。 「旅行」と聞いて、「え!?うつで休職中なのに、旅行なんて行っていいの!?不謹慎じゃない!?」と思った方はいらっしゃいませんか?
わたし自身も「え?いいの?」と思ったので、そういう感想を持たれることはなんにも不思議ではありませんが、メンタルクリニックにかかると「気晴らしに旅行へ行くことはよいことなんですよ。」と言ってもらえました。
休職中の行動のガイドライン(わたしの努めていた公立学校の例ですが)では、「海外旅行はだめだけれど、国内旅行ならOK」という旨が明記されていました。(海外旅行と国内旅行のあいだにある線引きの理由はよくわかりませんが)
ですので、わたしがA県で休職に入ったそのほぼ同じ頃、遠く離れたB県で工場勤務をしていた大学時代の友人を誘って九州旅行へ行きました。
九州には、大学卒業後ほかの大学へ入り直した共通の友人がおり、3人でレンタカーを借りて北九州を4日間かけて周遊しました。 とても楽しかったです。「たのしい」と思うことは、100%良いことです。本当にそう思います。
ただ、あまりはしゃぎすぎたのか、観光で訪れた太宰府天満宮のおみくじには、「旅行 近場ならよし」「転職 今ではない」「家遷 待て」と言った、軽挙妄動を戒める内容が書かれていました。末吉でした。しかも、「うつ友」と2人、まったく同じおみくじを引きました。九州の友人は大吉だったのに。