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うつ病の体験談【会社を辞めることは逃げではない】

私が初めて働いた会社は所謂ブラック企業でした。

でも、毎日が初めてのことだらけでそれがおかしいことなのだ、普通ではないのだと思う余裕もなかったですし、自分の中で比べるものがなかったのでまったく気づいていませんでした。

私は事務をしていたのですが、指導してくださったのは母親と同い年の女性でした。正直、この女性には今でも恨みしかありません。

最初は優しく教えてくださったのですが、だんだんそれが変わってきて、自分の機嫌が悪い時には大きな声で怒鳴り散らしたり、資料を投げつけられたりしました。

でも、そのようなことをされるのは他に人がいない場所でだけで、とくに男性社員がいる時は絶対にしなかったですし、いつも以上に優しかったです。

この女性は少しおかしい、そう感じてはいましたが、仕事のことで質問をできる人がその人しかいなかったので我慢するしかありませんでした。

私は入ってすぐの会社を休んだり、辞めたりするなんてことは絶対にしたくなかったので、とにかく謝って、頭を下げてばかりいました。それでその女性の気が済むのなら、それでいいとさえ思っていました。

会社に入って確か9か月ほどが経った頃、とても優しくしてくださる男性社員の方がいました。もちろん恋愛感情などはなく、困った時にサポートをしてくださったり、助け舟を出してくださる、とてもありがたい存在だとしか思っていなかったのです。

どうやら私のことを嫌っている女性はその男性のことが好きだったようで、その頃から私への嫌がらせが今までとは比べものにならないぐらい増えました。ついに何を聞いても答えてくれず、仕事も回してもらえなくなりました。

変な噂話も作られ、いろんな人に悪口を言いふらされていたようです。さすがにそうなってくると、私の体調も変化してきました。

まず最初に眠れなくなりました。それから会社に行こうと準備はするのですが、どうしても体が動きません。玄関で何時間も泣き続け、もうすべてを終わらせたいと思いました。

やっとの思いで離れて住む母に連絡をしました。そして、母からのすすめですぐに病院へ。それが生まれて初めての心療内科だったのですが、先生の前でもずっと泣いて泣いて、上手く会話ができませんでした。その後うつ病だと診断され、先生に言われた通り会社を辞めました。

本当は会社を辞めるのは負けたみたいで嫌だったのですが、会社に行こうとするとめまいと吐き気がして、とても行ける状態ではないですし、先生にも『勝ちとか負けとはそんなものはない。今はしっかりと心を休めなさい』とハッキリと言われたので、そうすることにしました。

会社を辞めて数年経ちましたが、今でも会社で怒鳴られた時のことを夢で見ます。そのたびに震えながら目が覚めますし、怒りもわきます。

うつ病は簡単には治りません。でも、あの頃よりは少しだけ1日の中に楽しいと思える時間も増えてきました。先生に言われた通り、あの時無理をして働かなくて正解だったと思います。