うつ病・抗うつ薬の体験談を500件以上公開しています

うつ病の体験談【頑張りすぎることは美徳ではない】

新卒で入社した建築設計事務所で働いていた時、うつ病になりました。

激務の業界だとは知っていましたが、忙しい時には家に帰ることが全くできず、泊まり込みの毎日。一番下っ端だったため、順番でとる仮眠時には先輩から早くに起こされ、全く眠れないことも多かったです。

くたくたになりながらも少しずつ楽しさを感じ始めたころ、初めて一人で大きな案件を担当しました。

眠れない日々がまた続き、家にも帰れませんでしたが、建築って楽しいと思い始めたころ、現場監督から厳しく叱責され始めました。まるで八つ当たりのようでした。

毎日すみませんといい続け、上司に相談するも改善されず、ある日、ご飯を美味しいと思わなくなっていることに気がつきます。

もうその時には遅かったのかもしれません。あれ?なんかおかしいな、と感じ始めてからはうつ病の症状が一気に出始めていました。

簡単な計算ができなくなり、疲れているはずなのに夜は眠れず、いつの間にか涙が出てきてしまうことも。自分の趣味や好きだったことへの興味がまるでなくなってしまいました。

同居していた家族から、顔色も悪いし話かけても上の空で眠れているのか?と聞かれた時にぷつんと糸が切れてしまい、次の日から仕事に行けなくなってしまいました。

そのまま精神科にかかり、あっさりとうつ病の診断が出ました。ポジティブな性格でのんきな私がうつ病?と信じられず、処方された薬をもらう時、ショックと自分の不甲斐なさから涙が溢れてしまい、薬局で大泣きしてしました。

自分はうつ病にはならない、なんでも頑張れると思っていたのに…。お医者さんからはそう思ってる人ほどかかりやすく、また、自分がうつ病だということに気がつきにくいと言われました。

病状を職場に報告し、その後は出勤することなくそのまま設計事務所を退職し、半年ほど仕事をせず療養することになりました。

薬を飲み続けることが怖く、飲むのをやめてしまおうかと思いましたが、正直に薬が怖いとお医者さんに伝え、少しずつ薬の量を減らしてもらうことにしました。

薬を飲んでいても元の生活に戻るのはとても大変でした、食事も一人前食べられるようになるまで2ヶ月はかかりました。

薬の作用で眠ることはできたものの、起きた時の体のダルさは一生忘れないでしょう。布団から体を起こすことがもう辛い。寝ても寝ても、ずっと眠い。あんなに眠れなかったのに、こんなに眠れるんだな、としみじみ感じました。

規則正しい生活を心がけ、ようやく完治したとき、頑張りすぎることは美徳ではないことを悟りました。

自分の体のSOSに早く気がつくこと、そして、どうしようもなくなる前に誰かに助けを求めることが大切。

もう二度と、あんな思いはしたくないと心から思っています。